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パク・ハのタイムスリップ-最終話-


「ここが俺たちの部屋.......」

3人がじっと部屋の中を見ていると
後ろからパクハとテヨンがそれを見守った。
そう言えば、僕もこの部屋の事は見た事がなかったな...

「わー!色々洋服が入ってる」

「本当だ。なんだ、俺結構昔からセンスよかったんじゃないか」

「運動着ばっかり......」

きゃっきゃっと3人はクローゼットの中をのぞいて嬉しそうに騒いでいる。

「不思議な感じだな....全然他人の家って感じがしない。
 なんか、実家に帰ってきたみたいな、そんな感じがするんですよ!
 パクハさんを見た時も、なんだか凄く、特別だったっていうか、目が離せなくて
 それに、ヨンチーム長と初めて出会った時も、この人に尽くさないとって気持ちがあった」

「うん、俺も同じ気持ちだったな。」

「チサナ.....マンボ....あ、ごめんなさい。名前、違うのに。
 まだお名前聞いてなかったですよね」

「昔の名前で呼んでくれていいですよ」

そう背の高い男.....いや、ヨンスルが言った。

「うん、俺たち、そんな深い繋がりがあったなら、そう呼ばれたいな。
 ニックネームみたいな感じでいいじゃないですか、第二の名前、フフ、そんな感じ」

楽しげにチサンも、マンボもそう言った。

-----------------------------------------------

5人は夕食を家で共にすると、部下3人は帰っていった。
パクハは一人台所で洗い物をしていたが、テヨンがすっと横に来て
視線をあげるとタオルで皿をきゅっきゅっと拭きだした。

「いいのに」

「いいから。男も家事はしないと」

「チョハからは考えられない。」

クスクスとパクハが笑った。

「やっと僕たち、過去を乗り越えて、巡り会えたんだよね....?」

懐かしむような声

「もう、離ればなれになったり、一人でお互いを待ち続けたり、そんな事ないんだよね?」

テヨンの言葉に、パクハは手を止めて彼を見上げた。
彼の瞳は、涙が揺れている様に見えた。真摯な視線....
300年前には思う事すら許されなかったであろう私と、王世子だったあなた
300年も私を一人で待ち続けてくれたあなた

「また好きになってくれて、見つけてくれて、ありがとう」

パクハの瞳が涙で揺れている、儚げで、震えるような視線...
300年前から結ばれる運命だった君
300年待って、やっと巡り会えた君

「パッカ、愛してる」

テヨンはぐっとパクハの事を抱きしめた。
濡れたままの手で、パクハもテヨンの世に手を回した。
好き   好き   好き

その晩、再び2人は身体を重ねた
労るように、すべてを愛すかの様にテヨンは彼女の身体に唇を落として
何度も間近で見つめ合っては、唇を重ねて
密やかに漏れる吐息を、何度も何度も重ねながら夜を明かした

...............................

いつの間に朝が来たんだろう。
安らかに眠るパクハの顔を見ながら、テヨンは微笑んでいた。
そっと自分の腕の中に抱き寄せ、背中の滑らかな感触を手で感じた。

もう離さない
ううん、僕が君から離れない

「ん...........」

パクハが目を開いた
眠そうに目を何度も開けたり、閉じたり、身を捩って僕の胸の中にもっと入ってくる
毎日そんな君をこの腕に抱いて朝を迎えるんだ

「ん〜....あ...テヨンさん」

「おはようパッカ」

「おはよう.....テヨンさん.....」

「今日は休みだけど、何しようか」

額にキスをすると、寝息まじりの吐息が吐き出された

「んん.......テヨンさんはなにかある?」

「うん。」

テヨンはそう言って、じっとパクハの事を見つめ、微笑んだ

「結婚しよう、俺たち、今すぐに。」

そう言うとパクハは驚いた様で、何も言わずにいた。
でも、表情でわかるよ。その目に浮かんだ涙でも、わかるよ
パッカ、OKだよね

「おぉ?パッカは俺と結婚したくないの?はやく...何か言ってよ」

急かす様に、テヨンがそうおちゃらけてみると、パクハは笑った。
笑った瞬間に、涙が出た。

「パッカ、もう離さないから。
 おじいちゃん、おばあちゃんになって死んでも、また君を見つけるから、だから」

「テヨンさん....ありがとう。300年....待ってくれて、ありがとう」

その一言で、十分だよ。
テヨンはしっかりとパクハを抱きしめた。

...........そして、僕たちは家族になった。

パッカ 愛してる
テヨンさん 愛してる

そう2人は何度も、何度も囁き合うのだ

-----------------------------------------------------------------------

(その後)

「で、なんで君たちがここにいるの?」

「それが、滞納で大家から追い出されちゃって.....」
「俺も、大家からいきなり契約切られて、追い出されて..」
「お、俺も............」

荷物をまとめてきました、と言った風貌の部下3人が玄関にいた。

「それで....ヨンチーム長、ここに置いてくださ〜い!」
「そうです、また朝鮮時代と同じく御遣えさせてください、お願いします!」
「パクハさん、御願いします!」

「だめ!絶対にダメだよ!僕とパクハは新婚なのに」

「テヨンさん、でも行く所がないって可愛そうよ。泊めてあげましょ」

「パッカ!?な、何を言ってるの?
 僕と君だけの新婚生活が送れなくなるじゃないか!」

「へへ〜、大丈夫。夜はしっか〜り耳栓してすぐ寝る様にしますから」

にやにやとチサンが笑った。

「さて、着替えよう〜」

いつの間にか2人は上がり込んでるし!

「こらーーーーー!」

おわり

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by beckanbecka | 2014-08-14 12:14 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-68-

ミミはバサッとゴミ袋を地面に落とした

「な....な、お.....オッパ達なんでここに.......」

「?」

彼ら3人のうちサラサラとした黒髪の社員が、指差して驚いているミミに、
怪訝な顔をしながらも、なぜそんな態度を取るのか、そして何となく会った事が
あるような懐かしさをなぜ感じるのか、不思議な気分を覚えた。

「俺たちに何か?君、ここの住人?」

「住人も何も、オッパ達一体どこに今まで行ってたのよ!」

ミミはそのままツカツカと駆寄ると、
思っても見なかった彼の一言にすごい剣幕で怒鳴り始めた。
言われる男3人は、びくっと体を震わせ、じりじりと後ろに後ずさっている

「どうなの!?チョハもオッパ達もいきなりいなくなって!
 チョハは最近帰ってきたけど、.......ちょっと待って、チョハも私の事気づいてない感じ
 だったわよね.......オッパ、いない間に何があったの?」

3人は一体何が何やら、訳が分からない。

「お、おい、この子一体何言ってるんだよ。お前知り合いか?」

「まさか。ここだって初めて来たのになんで俺が知ってるんですか」

「3人で何ひそひそ話してるのよ!」

そうミミが叫んだ時、ちょうど階段へパクハとテヨンが上がってきた

「あ!!!!ヨンチーム長!!」

助かった、とばかりにばたばたと3人は2人の方へと駆寄ってきた。
次に目を丸くしたのは、初めて3人の顔を見たパクハだった。
かすかに声を上げたパクハに気づいたテヨンは、紹介しようと彼女の方を向く
....そして、何かに愕然としている表情を見て、何かただ事ではないものを感じた。

「パッカ.......彼ら、僕のチームを手伝ってくれてる部下だよ」

「え.......あ.........」

「初めまして!先日はとんでもない場面に遭遇してしまって...体調もう大丈夫ですか?
 やっと挨拶ができて光栄です、僕はヨンチーム長の元で働いている.....」

「あなた達も....戻ってきたの」

「え?」

テヨンと、3人がパクハの一言に不思議そうな表情を浮かべた。

「ヨンスルさん、マンボ、チサナ、あなた達も、またこの時代に戻ってきたのね」

その一言で、テヨンははっと気づいたようで3人と、そしてパクハの方を見た。
まさか。僕が必死にイ・ガクを追って調べてきた彼の臣下というのは......
ウ・ヨンスル、ト・チサン、ソン・マンボというのは...

もう一度、テヨンは3人の方を向き直った

「ねえ、パッカ姉?一体どうしたの?ね、あっ!!!ゴミ!ゴミ回収車来ちゃう!」

そう言うとミミはあわてて地面に置きっぱなしだったゴミ袋を抱えて駆け出した。

「チョーム長、あの、一体...」

戸惑い気味に3人はテヨンの方を見て、心無さげにそう呟いた。
テヨンはしばし何も言わず3人を見ていたが、5人は屋根部屋へ戻る事にした。
中へ入ると、広々とした屋内に3人は、わぁ〜と感嘆の声を上げる

「信じられないかもしれないけど」

そう言って話しだしたテヨンとパクハの話に、3人は呆気にとられ
一体どう反応していいのかわからず、黙っているようだった。
前世で俺たちはこの人に遣えていて、なおかつチーム長はパクハさんと結ばれる運命にあった?
それで現代にタイムスリップして、また朝鮮時代に戻って.....その生まれ変わり...

「だめだ!ややこしすぎて、っていうか、そんな事あり得るんですか!?」

「さっき会ったミミはマンボ、つまりあなたに片思いしていたの。
 片思いまでする人の顔を間違う訳ないでしょ?それに私だってそうよ。
 最後にイ・ガクと結婚式場を見た後、エレベーターの中であなた達が消えるまで、
 その時会ったときと何も変わらないわ」

明るい茶髪の一人は受け入れられずに、笑い飛ばそうとしていた

「またまた、そんな事言って、何か隠してるでしょ?チーム長たち!ははは!」

「でも、ピョ社長も全く同じ名前で俺たちを良く呼び間違ってなかったか?」

背が高くがっしりした体格の一人がそう呟くと、
心当たりがあるのか3人はしばらく黙って何かを考えているようだったが、
思い出したのか顔をハッとさせた。

「本当だ....よく言いかけては、俺たちの名前を考えてからやっと呼んでくれるんだよな...
確かに、その名前だ........パクハさん、なぜその名前を.....」

「テヨンさんは朝鮮時代の王イ・ガクの生まれ変わりなの。
 彼が従兄弟のヨン・テムに殺されかけて行方不明になった。
 会社が乗っ取られそうになった時、あなた達はイ・ガクと共に、テヨンさんとその部下を
 偽ってH&S社で働いていたの。だからピョ社長もあなた達を知ってるのよ」

そうパクハが言うと、茶髪の男は心当たりがあるようだった

「だから、俺たちそこまで履歴書で有利な物もないのに、
 面接の後、社長の推薦ってことで入社できたのか..........」

「確かに、ピョ社長はあいつらによく似てる。3人そろって現れるなんて
 本当に不思議なことも起こるもんだなって......言ってたのは、この事だったのか」

テヨンの言葉と、自分たちのの心当たりから、
3人は、パクハの言葉は本当なのかもしれないそう思えてきた。

「俺たちには記憶なんてないけど、でももしそれが本当だったら....
なんか、現実では到底信じられないけどすごい事ですよね、自分の前世がわかるって。
 しかも、俺たちがヨンチーム長と、パクハさんと繋がっていただなんて。」

「間違いないわ。
 ...........私だって、信じられない。みんな朝鮮時代に戻ってしまって
 私一人になってとても泣いたのに、またこうやってみんなに出会えるなんて」

パクハの目には涙が溢れていた。
こぼれんばかりの涙を浮かべる彼女を見て、テヨンも、3人も美しいと思った。
そして、この人を守ってあげたい、そんな気持ちで満たされていった。

「ごめんなさい、私...」

とうとう涙が頬を伝ったパクハを見て、
テヨンはそっとパクハの肩を抱き、3人もうっすらと涙ぐんだ。

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by beckanbecka | 2014-08-10 19:16 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-67-

「私ね、ずっとこんな南の島みたいに、きれいなビーチに来る事が夢だったの」

「そっか。海が好きだなんて知らなかったな」

「南の島の画像を見るだけで元気が出るっていうか!
 チョハと一緒には来れなかったけど...........」

「じゃあ、やっと来れたって事だね。300年も待たせちゃってごめん」

テヨンがそう言って、横にいるパクハの髪を梳いた。
そうだ、テヨンさんがガクなのに、私ったら。

「ごめんなさい、私まだテヨンさんとチョハとなかなか重ならなくて....」

「逆に、僕はプヨンの事の方を鮮明に覚えてるんだ。
 だから、君にブヨンを重ねてる」

「えっ」

パクハは初めて聞く事実に驚いて、どこか胸にズキッと響いた。

「冗談。でも、ドキッとした」

「ええ、ドキッとしたわ..........」

ほっとしながらパクハはテヨンを見つめた。
テヨンが微笑んで、向かい合うとこつんと額を当てた。

「僕も君も、前世では結ばれていたんだ。
 僕がガクで、君がブヨン。離ればなれになりそうだった僕と君を手繰り寄せてくれたのも
 前世の僕と、君自身なんだ。でも、今の僕たちは、ヨン・テヨンとパク・ハだよね」

パクハは、テヨンの言葉にこくんと頷いた。

「じゃあもう、僕たちは巡り会って、こうしてまた愛し合えたんだから、
 もう過去の事をあれこれ考えるのはよそう?」

優しくて、少しだけ寂しげで、チョハそのままの貴方...ブヨンそのままの私
最初にであったのはNYでの貴方からの絵はがきだったのに、巡り巡って
やっと今、一緒にいられるのだ。

「そうね」

もう離れない

「パッカ....」

唇が近づいて、テヨンが目を閉じた

「愛してるよ」

もう、消えない。

------------------------------------------------

ザーン.......ザーン.......

波の音が聞こえる。
ふと、目を覚ますと、灯は沈み部屋の中には柔らかな照明がともっていた。
顔を上げると、じっとこちらを見つめているテヨンの笑顔に出会った

「テヨンさん」

布団をそっと胸元から上にたくし上げてくれ、
テヨンの男らしい腕と、長い指先が目に入る。
広い肩幅、男っぽい喉元、胸元、照明のせいか、事の後のせいか、
とてもセクシーに見えた。

こんな姿、初めて見た......

パクハは少し赤くなった。

「どうしてうつむくの?何かあった?」

テヨンは心配そうに聞いた。
別に何かあった訳じゃないけど、慣れてないもの、私。
だから、なんか正視できないっていうか.....

「何でもないの!」

「本当に?じゃあ何でそっち向くの?パッカ!」

-----------------------------------------------

「え〜っと...チーム長のアパートは、ここかぁ
 いやにきれいな屋根部屋だなぁ....で、でかい...........」

「早くしないと、ゴミの収集車きちゃう.....
 もう、ベッキーったら出してから仕事に行ってって言ったのに!」

「すごいなぁ、さすがチーム長。僕なんて大家が家取り壊すからって
 早く出て行けって葉っぱかけられてるんだよ〜(泣)」

「俺も、通勤がつらすぎて市内に越してきたいんだけど...」

「......パクハさんと二人暮らし...」

耳が大きなゴミ袋を持って玄関を開け階段を下りた時、
3人の足下が目に入り、誰かしらと視線をあげた。
なんと、そこには紙を持って上を見上げているスーツ姿の3人がいるではないか

「.......?....!? あ、あああーーーーーーーー!!!!!!」

大絶叫するミミに指差された3人は、
びくっと驚きながら、自分たちを真っ青な顔で指差しているこの女性を
不思議そうに眺めていた。

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by beckanbecka | 2014-07-22 21:40 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-66-

「そこまでです!」

その声に二人が振り向くと、
テヨンのチームの新入社員3人が立っていた。
想定外の3人の登場に彼女は驚いた表情で、テヨンも彼らがここへ来るとは
思ってもいなかった様だった。

「.........どちら様?邪魔しないで欲しいんだけど?」

彼女は冷たい視線を送ると、睨んでそう言った。

「あなたは用事がなくても、こちらはあるんですよ。」

最年少の黒髪の青年は、彼女を睨みながらツカツカと近寄っていった。
近づくと、彼女は社員証のマークを見て、彼がテヨンの部下だと気付いた。
テヨンの方を振り向くと、彼に向かって口を開きかける

「チーム長には黙って来たんですよ。
 自分の上司と、その大切な恋人が苦しんでる、部下の俺たちは見てるだけで苦しいんです。
 だから、ここらで俺たちがハッキリさせようとやって来たんです。」

「何を!?私とテヨナの事なのよ、プライベートな事に会社の部下が首突っ込まないでくれる?」

「申し訳ないがそうも行きません。弊社の社長、ピョ・テクスからの指示でもあります」

「ピョ・テクス......」

彼女はその名前を聞いて、考えている様だったが
やがて昔の事に気付いたのか、ハッと表情を変えてきまり悪い顔になった。
あの人は社長になっていたなんて......

残り二人も二人の横に歩み寄ると、最初に声をかけた青年が話しだした。

「あなた、ヨンチーム長とルームメイトの間柄で生活していた頃、
 妻子ある男性と恋仲でしたよね、一大企業の御曹司で次期社長の韓国人。
 しかし、あなたは夢中でもあちらは家庭があり,ドタキャンや、連絡不通も多かったとか。」

「な....なんのこと」

「自慢の彼だったのか、散々のろけられたり、
 でも遊ばれてたのか愚痴を聞かされたと、あなたのあちらでの学友は仰ってましたよ。
 その心の隙間を埋めたのが、同居していたチーム長ではありませんか?
 二人恋人がいるのか、愚痴を聞いた翌日には若い男といる所をよく見た、とか聞きました」

「それは、たまたま愚痴を何か言った事がある時に彼女が見かけただけでしょ。
 私はテヨンの事しか好きじゃなかったわよ」

テヨンは、確かにNYにいた頃、彼女が自分を求めてくるのが、
決まって彼女が滅入っている状態の時がほとんどだった事を思い出した。
彼は、その男の存在を知らなかっただけに、彼女が他の男との傷を忘れるために
自分を求めていたのかと思うと、気持ちの悪さを感じた。

「チーム長が失踪して、あなたはピョ・テクス社長には妊娠の事も言わなかったし、
 連絡先を知っているのに、妊娠が発覚しても連絡をする事もなかったそうですね。
 その頃から、あなたは不倫をしている男から高額なお金を毎月振り込まれてる。」

「知らないわ!!!って何あなた達、探偵でもないのに人の口座を調べてるの!?
 警察に届けて訴えるわよ!!!!!」

「そして、出産後しばらくあった養育費がピタリと止み、その後あなたは韓国に帰国した。
 それから数ヶ月後にあったチーム長に、子供の認知を迫っている。
 ..........なぜピョ社長に連絡を取り、ヨンチーム長の家族に言わなかったのですか?」

「それは、反対されるか拒絶されるか、ど,どちらかと思ったから....」

「じゃあ、振込を行っていた男性は何故、関係ないのにあなたに高額な振込を?」

「あの人は、1人で子供を育てる私に同情してくれて....
 とにかく、やっと父親に巡り会えたのよ。子供が母親だけなんて、可哀想でしょ?!
 それに、充分な養育費だって無いのよ?!テヨンを頼って何が悪いの!?
 ああ!とにかくアンタ達、人のプライバシーをずけずけと....訴えますからね。
 テヨンの部下だって,許せない!取り消して欲しければテヨン、この子を認めて!」

「できないし、彼らは悪くない。」

「言いがかりをつけられた私の立場はどうなるのよ!!!!!」

店内は女のヒステリックな声で、シーンとしていた。

「あ、チーム長。そういえば、一つ根本的な事を忘れていませんか?」

明るい髪色の、人懐っこい部下がそう言った。
テヨンと彼女が振り向くと、彼はにっこりと言った

「DNA鑑定ですよ〜、まずはそこからでしょ?」

「................何言ってるの。テヨンが父親なのは母親の私がよくわかって.....」

女は、信じ込んでいたテヨンだけに、
部下からこの発言が出ると思わず真っ青になった。

「それなら、胸を張って受けられますよね?
 .......いやぁ、僕その大企業の御曹司の..まあ今は立派な社長さんだけど、
 経済誌でお顔拝見したけど、そっくりなんですよね〜?こないだ見たお子さんに。
 いやぁ、本当にそっくりだったなあ?って,僕の気のせいですかね」

「な........なにを.........」

彼女の手はブルブルと震えていた。

「テヨン!!!あなた、NYにどれだけ私があなたの助けになってたか憶えてるの?
 その私が、子供を1人でもって大変だって、頼ってるのよ!?!!
 それなのに、こんなに傷つけて、こんな仕打ちをするの!?信じられない!!」

「それを言うなら、何の罪も無くヨンチーム長を愛している
 恋人の女性の方がもっと可哀想ですよ!あんな風に突然、子供がいるなんて
 目の前で言われて!倒れた後,1人で家に帰ってしまって、俺はその気持ちを思うだけで..」

そう一番背の高い、がっちりとした部下の1人が目頭を手で覆った。

「俺も、互いに愛し合ってるのはチーム長と恋人だと思いますけど。
 あぁ、簡単ですよ、DNA鑑定。キットを持ってきましたから、今採取して
 病院に持っていけばすぐに結果も出ますし」

黒髪の部下はそう鞄から取り出した。

「お子さんの所に行きましょうか。」

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数日後、テヨン達はパク・ハが行きたいと言っていたホテルを訪れた。

「わぁ!すごく良い景色。テヨンさん、素敵ね。
 こんなきれいな南の島みたいな所、来てみたかったの」

じっと外を見つめるパクハの声は、
ここ最近の元気すぎる彼女の声と違い、少し寂しげであった。
キラキラ光を反射する海は、彼女の瞳をも輝かせている。
テヨンがじっと彼女の横顔を見つめていると、キラキラと、瞳が涙で揺れていた。

パク・ハ...........

テヨンは後ろからパクハを抱きしめると,耳元で囁いた。

「パッカ、君に.....見せたい物があるんだ。」

「へへ...目を開きっぱなしで目が乾いて充血しちゃった...何かしら」

パクハは泣きそうな表情を見せまいと笑顔を作ると、テヨンの方を振り向いた。
テヨンは鞄から茶封筒を取り出すと、それをパクハに渡した。
何だろうかと、パクハは戸惑いながらその封筒に手を入れると、書類を引き出した。
そこには、

”擬父が子供の生物学上の父親であることは否定されました。
 親子である可能性は0%です”

という一文が載っていた。
パクハはパッとテヨンを見つめると、涙がまた瞳の仲でゆらゆら揺れていた。

「テ.........テヨンさん........」

「ちゃんと、調べたよ。僕は彼女の子供の父親じゃない。
 そして、彼女の父親が誰で、あの子が父親無しの人生を歩む事も無くなった、
 ...........本当の父親に連絡を取って、引き合わせたんだ。」

「ほん、本当に?」

涙がどんどんあふれて、堪えきれずパクハの頬を伝った。

「ああ。だから」

涙が幾重にも道筋を作り、滴り落ちていく頬を、テヨンは指で拭った

「だからもう、黙って最後の思い出にして去ろうなんて、考えないでくれ」

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その言葉で、パクハの1人で背負っていた緊張は一気に決壊し、
彼女は顔を歪めると、嗚咽を漏らして、涙を何粒も、何粒も流した。

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by beckanbecka | 2014-07-09 22:47 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-65-

日曜日の午前

人のいないオフィスで、休日出勤中の新人社員は1人で空を眺めていた

「ふーん.......」

「どうしたんですか?ヒョン」

「ん?いや、チーム長の事だけど.....あの女性、多分確定だろうな」

「何か新しい情報でも?」

彼は年上の同僚に向かい合う様に座ると、身を乗り出してそう聞いた

「こないだ男の会社に勤めているOLとコンパを開いたんだけど、
 やっぱり奥さんもやり手だったらしく、夫婦仲も然程良くないって噂だったんだ。
 と言うより、確実に旦那の方には他に女がいるだろうって」

「 コンパ!?いつの間に!僕も誘って下さいよ!」

「へへへ。お前がきたら年下の魅力で、女の子みんなお前に行っちゃうだろ?」

クイクイと眉毛でおどけてみせる。
年下の男もそう言われてはまんざらではないらしく、瞬時に水に流してしまった。
そして、彼は話を続けた。

「養育費の振込が止まって数ヶ月、そしてあの女性は韓国に戻ってきてる。
 学校も中退して今は働いてるようだけど....稼ぎはたかが知れてる。
 そこにチーム長が現れた、と言う事は.......」

「昔の男を父親に仕立てようと?」

「ビンゴ!ただ、すべて噂と金の動きからしての推測だけどね」

「よっしゃ!!!俺があの女を引っ捕まえて白状させてやる!!!」

入り口にいつのまにか立っていた最年長の彼は
力いっぱいにそう叫び、二人は驚いて椅子から飛び上がった。
憤然と出て行こうとする彼に、二人は走り寄り飛びつくと、必死に静止した

「やめろ!!!そんなことしたら捕まるのはこっちだって!!!!」

「離せ!!!あの女性(ひと)をこのまま泣かせておけないだろ!!!」

ズリズリと彼は二人を引きずりながら廊下を歩いていった。

------------------------------------------------------------------

「ねえ、テヨンさん!ここなんてどう?今週末開いてるみたい」

「いいね、素敵な景色だ」

「じゃあ、オンラインは予約受付終了してるから、電話してみるね。
 飛行機も予約締め切りは過ぎてるし、あとで航空会社に電話してみる」

「うん、でもパッカ、そんなに急がなくても、今月末とかでもいいんじゃないかな?
 それの方が、全部一緒に予約もできるし、ほら、パッケージ旅行の方が、
 このレストランの食事もつく.......」

「ううん、今がいいの。ほら!こんなに素敵なんだもの!

なんだか、最近のパクハはやたら明るく
.......いい事なんだ、いい事なんだけど、急に旅行に行きたいと言い出した。
自分の考えを、いつも控えめにしか伝えてこない彼女なのに、色々と彼女なりに
アイディアがあるのか、話を進めていく。それは多少強引にも思えた。

テヨンはどこか、不自然な物を感じた。
せわしなく動くパクハの後ろ姿をじっと見つめていると、
彼女が「いつもの彼女」を演じている様な そんな気がしてならない

「.........................」

もしかして、やはりあの彼女の事で不安にさせているんだろうか。
そうだろうな、僕を信じて欲しいと言っても、まだ何も解決はしていない。
部下も僕のプライベートだと言うのに、手を取らせてしまっているし.....

「テヨンさん、ホテルも飛行機も空きがあるって」

戻ってきた嬉しそうなパクハに、テヨンは微笑んで応えたものの、
らしくない彼女の行動に、テヨンは一瞬不安になった。
正直、NYでは彼女と時間を過ごし救われた面もあった、どう今回の事を
収めればいいのか、それに自分が父親だと言う事実を受け入れられず、
冷静に考えられない自分がいた。それでも、もう長引かせるわけにはいかない

テヨンはパクハの腕を掴むと、ギュッと腕に抱きしめた

「わかった。じゃぁ、めいっぱい楽しもうね」

「ええ.....テヨンさん」

--------------------------------------------------

「テヨン」

テヨンは彼女に電話をかけると、すぐに会う事となった。

「で、考えてくれた?一緒に生活する事と、あの子の父親になること。
 すぐじゃなくてもいいのよ、でもいろいろ子供のためにお金がかかるから.....」

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テヨンは喫茶店に入り席につく鳴り、矢継ぎ早に話す彼女の前で
じっと、彼女を見つめたまま口を閉ざしていた。
彼女もまた、パクハ同様に「いつもの自分」を取り繕い演じている様だった。

「何で、こっちで会った時すぐに子供の事を言わなかった?」

「それは......だって、生きてるって思わなかったし、動揺して....
でも、段々時間が過ぎると、あの子に気があるようだし、ゆっくりもしてられないって..」

「ああ、君の言う通り僕はパク・ハが好きだ。愛してる。」

「でも私にはもう子供と言う切り離せない物があるのよ。
 そうでしょ?でも彼女とはまだ付き合いはじめじゃない、忘れられるわ。
 子供ができといて、それでも私に別れを言えるの?無理じゃない?」

彼女はテヨンの言葉にカッとなると、声を荒げた

「僕らはNYで、恋人と言う関係じゃなかった。
 もし僕があんなアクシデントに遭っていなくても、僕らが恋人になる事はなかったはず。」

「そんな事ないわ、きっと私たち、一緒にいる時間が長くなれば....」

「お互いに虚しさを埋め合わせていただけなんだ、僕らは。
 それに、僕はNYで....あの事件に会う前にやっと恋をした、それが彼女さ。」

「...............!」

彼女は、子供と言う存在を持ってしても変わらない彼に、苛立と焦りを憶えた。
以前なら、何の文句もなく何でも受け入れてきた彼だったのに。
こんなにも彼が自分の考えを強く持ち、主張する男になっていたとは想定外だった。

「じゃ、じゃあ子供はどうするの」

「僕がどうこう以前に、君は欲しくて子供を産んだんだよね。
 行方不明になっていて,僕が知る事もできなかった時間に。
 その時は、1人で育てていこうと君は思って生んだ、そうだよね?」

テヨンはそれに動揺する事もなく、淡々と話した

「子供に責任はない、確かにそうさ。
 1人で生む決心をして,生んで1人で今まで育ててきたんだ,すごい事だよ。
 なのに、僕が君と子供と生きないと言ったら、全てが終わってしまうの?」

「な.........そ、それは......」

「子供のために僕達がくっついたら、それこそ子供に幸せをあげられないんじゃないかな」

「なぜ?」

理解ができない、と言った風に彼女はテヨンを睨んだ

「だって、僕は君と一緒になってもパクハを愛してるし、
 彼女と別れるなんて事、絶対にできないから。
 君にも、子供にも悲しい想いしかさせられない、だからダメなんだ。」

「テヨン........信じられない,信じられない!!!
 子供がいるのよ!!!!あなたの子が!!!それを見放すの!!!?」

その瞬間、女は激こうするとガタンと立ち上がった。
喫茶店にいる客達が、好奇心からかチラチラと二人の方に目をやる。
それでも、テヨンは落ち着いて座ったまま彼女を見上げていた

「そこまでです。」

背後で声がして、二人がそちらの方を見ると部下3人が立っていた。



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by beckanbecka | 2014-07-04 17:41 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-64-

「あなたには忘れられないわ、私とテヨンの子の存在は」

その女性の目が緩む

「私は愛されなくてもいい。
 でも、生まれてきた子に罪は無いのよ。父親の無い人生を歩ませたくないの。
 今は何とも思わなくても、子供への愛情は徐々に大きくなるわ。例え私を愛してなくても
 私との子供の前では父親の顔をするテヨンの、側にあなたいられるの?」

正論だ。
きっと私は、あの子供の方を見ないでと思ってしまうだろう。
私だけを見ていてと、彼を束縛するだろう。
徐々に変わりゆくテヨンさんの心を、雁字搦めにしてしまうだろう

そんなの嫌
私の幸せは、あなたが幸せである事なのに
もしその横に、私も笑っていられたらと、思うだけで。

「............................」

「パパ 会いたいよー、アーン.....アーン....」

「少し、時間をくれませんか」

彼女は俯いたままそう言った。
そして顔を上げると、真っ直ぐな目で女性の方を見つめた

「私も、仰る通りだと思います。
 でも私たちは本当に愛し合っているし、命に代えても惜しくない程大切な人なんです。
 今すぐにテヨンさんと離れるなんて...まだ、心の準備ができません。
 でも、きっと私も、あなたが仰る様に感じると思う。」

女性はじっと聴いていた

「だから、じかんを ください
 ...............テヨンさんとの思い出を作る,時間を下さい」

いつのまにか、彼女の瞳には涙がいっぱいに溜まっていた。
しかし、彼女は涙を零すまいと瞬きもせず、しっかりと前を向いていた。
せめて、この女性(ひと)には弱さを見せたくなかったから。

--------------------------------------------------

「ただいま」

「お帰りなさい、テヨンさん」

優しく微笑んでいるパクハを見て、テヨンはホッとしていた。
朝と変わらず、彼女はそこにいてくれて、笑ってくれる。
テヨンは、それだけで嬉しかった

じーっと自分を見つめるテヨンに、彼女はフフフと笑った。

「どうしたの、テヨンさん。」

「いや.......」

テヨンは何も言わず足を踏み出すと、パクハをギュッと抱きしめた

「あ」

しっかりと、広い胸板に抱きしめられて彼の匂いを吸いこんだ。

「テヨンさん?」

「.......」

テヨンは、パクハの柔らかな髪に頬を寄せ、ギュッと彼女を抱きしめた。

「テヨンさん........お腹、空いた?」

パクハもまた、テヨンをしっかりと抱きしめた。

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「うん、空いた。ペコペコだよ」

「うん......」

2人は、互いに気持ちを伝え合う様に、きつく抱き合った。


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by beckanbecka | 2014-06-12 20:54 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-63-

カタカタ.....カタカタ......

「へぇ..........」

まだ若さを残した表情の彼は、
神妙な面持ちでパソコンの画面を睨んでいた。
画面には複雑な文字列と数字が並んでいる。

「何を見てるの?」

「わぁ!びっくりしたな...ノックして下さいよ....」

「悪い悪い、へへへ。そう言っても俺たち3人の部屋なんだしさぁ〜
 .........もしかして、あの女の件?」 

後ろから覗き込んできた同僚は、愛嬌のある笑顔を見せた。
が、この男も目の付け所は鋭いのかもしれない

「ええ....ちょっとこの女、何かを隠してる気がするんです。」

「どうして」

「ここの期間、これは銀行のオンライン取引の履歴なんですけど、
 不思議な程毎月、高額なお金が振り込まれているんですよ。
 しかも、海外の....欧州の銀行から。しかし操作されているのはアメリカ国内から。
 となると、どこか大きな企業で、欧州に口座を持っている人間の知り合いが身近にいて、
 なぜか、子供が生まれているであろう期間から振込が始まってる」

「.............もしかしたら、それ繋がるかもしれないな」

「どういう事ですか?」

「周りも詳しくは知ってる人はいなかったけど、
 自分が好きでも一緒になってくれない、と既婚者との関係を漏らす事があったらしくて。
 もしかして、大きな会社に勤めていて、その振込も認知の代わりの支援だったりとか...」

「..........あり得ますね..........
 これだけの金額を払い込んでいたのに、チーム長と接触した前後には
 ぱったりと途絶えているし、それを機に韓国に帰ってきてるようです」

そう2人が話していると、ドアが開きテヨンが入ってきた。

「そんなに驚いて、どうかした?」

テヨンは爽やかに微笑んだ。
この人は、あの女性の素性を知っているのだろうか?
しかし、ピョ・テクスの指示とはいえ、素性を部下が調べていると知られる訳にも
いかなかった。

「い、いえ。今2人で次の商品案の事を話していたんです」

「そうか」

-------------------------------------------------

3人は、ちらちらとテヨンの顔を見ていた。
ミーティングを滞りなく進める彼が知っているのかいないのか、
倒れる程にショックを受けていた恋人がこの件で離れてしまうんではないか
そんな事を考えれば考える程、いつもの冷静さを崩さないテヨンを見続けるのが辛かったのだ。

「........先輩、やはりテヨンチーム長には言った方が良いのでは....」

「しかし、俺たちは社長の指示で動いてる。
 チーム長のましてやプライベートなんだ、今報告する訳には....」

そう目配せする2人を尻目に、よく通る男の声が部屋を支配した

「チーム長、あの子供は本当にチーム長の子供ですか」

その時、同僚の1人がズバリと単刀直入に聞いた。
彼らは仕事上の部下といえど、目の前で醜態は起こしている訳だ、
いつも通り仕事をしようとしても、彼らは気になって仕方が無いんだろう。
テヨンはそう思っていた。

「僕と一緒にいた彼女がそう言うんだ、本当も嘘も....」

「俺は男として、子供がもう充分育っていながら、
 今さらチーム長とあの恋人の女性の中へ割って入る真似をするなど、
 あなたを思いやるべき女の態度とは思いません」

2人は、同僚の中でも年長者の彼の方を驚きながら見た。
なんと単刀直入に物事を言うのだろうか。

「俺には、落とし込める様にあなたに近づいてる様にしか見えないんです」

「..............心配は嬉しいが、これは僕の問題だ
 君達はそんな事を心配しなくていいから、仕事の話を...」

「チーム長、お言葉ですが僕達も同意見です」

そう2人も声をあげた。
乗りかかった船だ、これ以上淡々と仕事をしている彼の中の葛藤を
見て見ぬ振りは到底できそうになかった。

「チーム長、あの女性はあなたを落とし込もうとしてるのかもしれない」

「それは、どういう....何故」

「社長も同意見で、僕達はあの女性について身辺調査をしていました」

「そんな、何で君達がそんな事を」

-------------------------------------------------

パク・ハは、ボンヤリと外の景色をテラスで眺めていた。
カラカラと風見鶏が周り、花達が揺れる。
時間が経ち、テヨンさんの子供が大きくなればなる程、罪悪感は大きくなるだろう

「お父さんを私に返して下さい!」

そんな声が聞こえてきそうだ。

「こんにちわ」

ふと顔を上げると、自分の方を真っ直ぐに見据えた彼女がいた

「テヨンの事で、あなたと話がしたくて」

私は、見てしまった。
その腕の中で私の方をじっと見つめる、幼い子の顔を。
何だか、絶えられず視線を逸らすと、パクハは二人を部屋へ招いた。

「例え私たちが愛し合ってる仲じゃなくても、互いを求め合ってた。
 そうすることで、満たされない心を埋め合わせる様に何度も、私たち」

「やめて下さい」

「子供を宿して、テヨンが行方不明になって
 その時にやっと間と気付いて、私はこの子を産む事にしたの。
 テヨンがいなくなってから妊娠に気付いたんだもの、知らなくて当然よ

 でも、私たちを捨ててあなたと一緒になっても、彼はこの子を無視して生きる事はできない
 .............自分の子供なのよ」

「やめて下さい、お願い.....」

「あなたが身を引いて」

聞きたくなかった言葉が、次々に私のみを切り裂いて行く。

「ほら、パパ会いたいでしょ」

「パパ.......」

涙が泊まらなくなった

「パパ、パパ」

私を見つめる彼女の表情が、一瞬嗤った様な気がした。
ああ、あの夜私が昔の夢を見たのは、この人のせいだったんだ
..................300年前にイ・ガクを手に入れようと、私を嘲笑った女性と
彼女は、きっと同じ人物だ。

顔は憶えていなくても、その眼差しを私は憶えていた。

「パパぁーーーうわああん パパーー」

テヨンさんの......子供.......

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by beckanbecka | 2014-06-10 13:09 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-62-

翌日、テヨンが出社すると
ピョ・テクスが彼のオフィスから外を眺めていた。

「社長」

「出社したか。昨日の事、あいつらから聞いたぞ」

テヨンは表情を硬くした。
何とも情けない私情を、仕事場で曝すとは....
結局、昨日は一言も伝える事なくパク・ハを追って家へ帰っているし

「申し訳ありません」

「テヨン、俺はあの女はお前が失踪してからしか知らないが、
 昨日の事は本当か?」

「......恋愛関係ではありませんでしたが、....互いに割り切った仲でした。
 ただ、子供が生まれていたなんて昨日が初耳でした....僕が目覚めて、
 もう何度も顔を合わせたのに、一言も彼女は僕には話してくれず.....」

「パク・ハさんは何て?」

「愛してるのは彼女だし、彼女との将来しか考えられません。
 僕が何とか片を付けます。」

「そんな事は分かってる。俺が言ってるのはだ....”本当にお前の子か?”」

テヨンは、目を上げてピョテクスを見た

「それは、どういう.....」

「おかしいんだよ。今頃になって子供がいる事を言い出す事が。」

「確かに、何故と思いましたけど....」

.........................................................

パク・ハは、店へは行かず家の掃除していた。

........................300年前の私たちは一緒になれなかったけど
今、私とテヨンさんは互いの気持ちも確かめ合って、結ばれようとしてる
テヨンさんは私を選んでくれたし、心配しないでいいと言ってくれた
でも.....考えれば考える程、胸が閊える。

「彼の子供が、純粋に父親を求めている」

私は、あの場所で子供の顔こそ見なかったけれど、
もし次に会う事が会ったら、その時、罪悪感を感じずテヨンさんといれるだろうか。
彼はイ・ガクではないの、ヨン・テヨンとしての時間を経てきた人なんだから...

はぁ

パク・ハは一人、広い家の中で溜め息を吐いた。

「こんな時、みんながいてくれたら.....」

........................................................

「しかし、現にチーム長は同棲してたんだろう?
 それならこんな状況になるのは、可能性としてあるじゃないか。
 チーム長だって、あの子が自分の子だと認める姿勢な訳だし」

「でも、いくらなんでもおかしくないか?
 父親が行方不明、その上妊娠もしている、さらに資金面も楽じゃない学生
 彼女はピョ社長を通じて、チーム長が誰なのかを知っている訳だし、
 金銭面の援助の一つや二つ、求めるのは当然じゃないか」

「しかし、堕ろせと言われるのを恐れたのかもしれないし....」

「だったら、その期間を過ぎてからでも言えるはず。」

「確かにそうだけど...お金の事で頼りたくなかったんじゃないかな?
 それだけチーム長の事を愛していたのかもしれないし」

「しかし、そんなに愛し合ってたならば、なぜ今パク・ハさんと一緒にいる?
 俺なら、目を覚ましてすぐにその人の元へと戻ろうとするけど」

彼らは、ピョ・テクスから事の発端と、
過去のテヨンの失踪事件、そして目覚めてから今までの経緯を聞いていた。
1人は社長と同じく、その女の魂胆に怪しいものを嗅ぎ取っていた。
しかし、後の2人はその彼の狙いにさっぱり気付いていない様だった

「とにかく、僕、あの女性の身辺を当たってみるよ」

「ああ、僕はNYでの数年前の身辺を調べてみよう」

そう話していると、ドアが開きミーティングルームにテヨンが入ってきた

「おまたせ。さあ、次の商戦に向けた企画プランを詰めようか」

「チーム長....大丈夫なんですか?」

恐る恐る、1人がテヨンに聞いた

「何が?」

「昨日の、気絶した女性...チーム長の恋人ですよね。
 突然医務室を出られたみたいでしたけど、大丈夫でしたか?」

「ああ、.......僕の私的な事で昨日はすまなかった。
 もう気にしなくていいから、仕事に専念しよう」

微笑んだテヨンの表情はいつも通りの様でもあり、
無理矢理に自分を言い聞かせる様な、強がりにも見えた。

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by beckanbecka | 2014-06-03 21:26 | 屋根部屋のプリンス短編集

パク・ハのタイムスリップ-61-

テヨンはパク・ハの姿を探しながら走った。
家に向かう方向のバス停にはいないし、歩いてもいない。
携帯電話はボイスメールに切り替わってしまうし....

テヨンは彼女の店の方へ車の方向を変えた。

チリンチリンとドアが開く音にパク・ハは目を上げようともしなかった。
音が酷く遠くて,自分が現実の世界にいない様な感覚がする。
手に何かが触れ,ハッと目を前に向けると真剣な顔をしたテヨンがいた

「テヨンさん......」

「パッカ、いきなりいなくなったって聞いたから心配したよ。
 ..........さっきは..........大丈夫、だった?」

テヨンの言葉はどことなく、歯切れの悪いものだった。
彼はパク・ハの事を責める事なんてできないのだ,それも当然かもしれない。
彼女は我慢できず目を逸らすと、じっと手元に視線を置いた。

「........ごめんなさい、心配かけて。.......私は大丈夫だから」

パク・ハはテヨンの声にかぶせる様に言った。
テヨンさんが私たちについて何て言うのかが怖くて、
彼の言葉をこれ以上は聞きたくなかった。

「パク・ハ........
..................さっき聞いた事で、僕達の中がどうにかなるなんて、無いから。」

テヨンはそう言いきった。

「子供がいるなんてさっき初めて聞いたし、僕がテム兄さんに襲われて、
 行方不明になってから彼女は妊娠を知って,僕が行きてるか死んでるかも
 分からない状態だったから、生もうと決心したって...
 
 でも、僕達は恋人でもなかった。」

パク・ハはテヨンの言葉を目を合わさずじっと聞いていた。
恋人じゃない、その言葉を私は信じてたのに、恐れていた事は現実だった。
恋人じゃないけれど、身体の関係が彼女とはあったんだ。
その末に彼女はテヨンさんの子を身ごもって,その生命がこの世に生まれて

テヨンさんと彼女の子供は、彼を父親として求めてる。
子供に罪は無いのに..........。
パク・ハは自分の過去も相俟って、自分の身が深く沈んで行く様な気がした
ずるずると、光が見えないほど深く、奥底に。

「僕は彼女に愛情は無い。.........子供には罪は無いと分かってる
 でも、僕は君を愛しているんだ。君を失うなんて、僕はできない。
 だからパク・ハ.......パク・ハ,僕の顔を見て。」

見てしまえば、泣いてしまうだろう。

「パク・ハ,頼むから僕を見て」
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それでも、パク・ハはテヨンを見上げる事は無かった。
彼女の目にはいっぱいの涙があふれているのに、涙をじっと堪えたままで、
今は彼の前で泣きたくはなかったのだ。

「パク・ハ......」

頑なパク・ハに、テヨンもまた涙があふれそうになっていた。
自分が彼女をこんなにも混乱させ,苦しめている。
二度ともうこんな風に泣かせないと誓ったばかりなのに。

「会社に戻るよ、ただパク・ハ、家には必ず帰ってきて。
 この事は僕がちゃんと解決する、どうすべきか最善の方法を考える。
 だから、僕の前からいなくなるなんて、絶対に思わないで。いいね.....」

「.................」

「じゃあ,戻るよ」

やっとドアが閉まり、車が出て行く音がすると、
パク・ハは涙を零し,その間にしゃがみ込み,静かにすすり泣いた。

「............さっきのあの女性と、倒れた女性、どう思います?」

「話を聞いていた訳じゃないけど、倒れた所を見た時の部屋の雰囲気からして、
 チーム長の彼女が倒れた女性で、それを邪魔しにきたっていうか....
なんだか、昔の元カノっていうか......子供が実はいて、あなたの子よって感じだったよな」

「そうですよね、.........別れた後に生んでって言う感じの...
それを今のチーム長の恋人が知って倒れたって様子ですよね。
 ああ、真っ青になってたもんな、それにチーム長のあんな顔、見た事が無いし」

「ショックだよな.....」

「ですね.....」

そう残された部下達は,そうミーティングルームで話していた。

「でも俺,なんか裏があると思うなあ」

「失礼するぞ....テヨンはここじゃないのか?」

「 社長!」

彼らは突如現れたピョ・テクスに、慌てて礼をした。
事の経緯を話すと、彼の顔色が変わった。

「まさか、あの女テヨンの子供を身ごもっていたなんて.......」

「ご存知なんですか?社長」

「ああ、その女性はテヨンがNYにいた頃、アパートで共同生活してた相手だ。
 テヨンが失踪したとき、彼女に聞き込みをしているが、妊娠なんて、
 そんな事一切こちらには漏らさなかったし、何故今になって.....。

 NYで女手一つで,しかも奨学金を得ながらの学生だった女だ。
 子供を何の援助も無く育てるなんて、そんな事できるはずが無い。
 一体,何故今頃.........」

「彼女の名前は?僕は何か裏があるんじゃないかと雰囲気で思うんです。
 チーム長の様子からしても、あの女性とチーム長が恋人の間柄だったとは
 思えないんです。」

「うむ、失踪後の聞き込みでも,一言もそんな事は彼女は言ってなかった。
 .............仕事以外の事だが,内密に調べてくれるか」

「はい、お任せください」

こいつは、前職で一体何をしていたんだ?
その新人社員の不適な笑みと自信のある目つきに、ピョ・テクスは妙な頼もしさを感じた。
そう言えばこいつら,あいつらに似ている様な.......

--------------------------------------

テヨンは家に帰りつくと、リビングには間接照明だけが点々とついているだけだった。
それでも、パク・ハが帰ってきたのだろうと、ホッと彼は安堵した。
彼は自分の部屋のベッドに彼女を捜したがおらず、階段を下りると彼女の部屋を訪ねた。

「パッカ」

彼女はベッドに寝ていて、ドアを開けたテヨンの方を見た
彼は嬉しくて,パク・ハのベッドの方へと歩み寄ると、ギュッと覆う様に抱きしめた。

「ただいま。...........よかった、いてくれて」

「そりゃ、私の家でもあるもの.....帰ってくるわ」

その答えに,彼は彼女が幾分いつもの様子を取り戻した様で安堵した。

「はは、そうだよね.....僕たちの家はここだもんね。」

まだ少しぎこちない雰囲気がする。
彼女に,精一杯の愛情を見せたかった
でも、彼女を傷つけたのは僕で,そうするだけの資格があるのか
テヨンは自信を持てなかった。

「テヨンさん........」

「うん」

「私、テヨンさんを信じていいの?私、あなたと一緒にいていいの?」

ずっと考えていた。
テヨンさんをあの子に譲るべきなのか。
例え運命で私たちが結ばれていても、親がいない子供の辛さは私が一番知っている。
罪の無い彼の子に,そんな思いをさせてまで自分が彼といていいのか。

考えても,考えても、私は彼の元から去るなんて、できない。
やっと一緒になれるんだと思ったばかりなのに、やっと結ばれる事ができるのに
我が侭かもしれない,それでも、私は一緒にいたい。

「パク・ハ......」

テヨンは胸が痛んだ。
彼女が身を引くべきなのか、僕が彼女の元を離れるか、散々考えたんだろう。
健気なその言葉に、テヨンはパク・ハの身を抱き寄せ,しっかりと抱いた。

「当たり前だよ。僕には君しかいない。僕が愛してるのは君だけなんだ。
 絶対に君から離れたりなんかしない」

「じゃあ、あの人は....?」

涙声のパク・ハに、テヨンは一つ一つ、言い聞かせる様に話し始めた。

「じゃあ、テヨンさんは妊娠も全く知らなかったの」

「うん、目覚めてあってからも、僕にはそんな考えは無いし、
 ただの知り合いとしか思ってないし,今日まで彼女も僕と同様だった。
 何故,韓国で僕に再会した時にそれを言わなかったのか、何故こんなに時間が経ってなのか
 ........正直僕にも分からない。」

「きっと.......彼女は言わなくてもあなたが自分の元へ戻ると考えていたから、
 急いで告げる必要がないんだと,思ってたんじゃないかしら。」

「..........そうなのかな.......」

「生まれてきた子供には,罪は無いのに。それは私が一番良くわかって...」

テヨンは,胸が苦しくていっそう強くパク・ハを抱きしめた。

「もう君は1人じゃないよ、パク・ハ。君には僕がいる。
 ..........ちゃんと、解決できる道を探すから,僕を信じてついてきて。」

「テヨンさん....」

その夜、私は夢を見た。
イ・ガクを想うがあまり、朝鮮時代へと降り立った時の夢だった。
彼が朝鮮時代の女性と,結婚してしまったらどうしよう。
いつか私は現代に戻るのに、彼が他の人を愛してしまったら.....

そう、彼の幸せを願う気持ちもあるのに,嫉妬心が渦巻く、あの時と同じだった。

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by beckanbecka | 2014-05-28 17:36

パク・ハのタイムスリップ-60-

気絶して床に倒れ込んだパク・ハに、テヨンは慌てて駆け寄った。

「大丈夫ですか!!!」

「救急車,救急車だ!」

慌てて大騒ぎする部下達の中、テヨンはパク・ハを抱き上げた。

「ちょっと,逃げる気?!」

彼女は掴み掛かる様に叫んだ。

「こんな状態で君の話が聞けると思う?
 .....彼女を医務室に運んで、安静させてからまた戻るよ。」

そう言い残すと,サッサとその場を立ち去ってしまった

「ぱぱー.............」

その幼い声が、平常を振舞っている彼の心を動揺させた。
まさか....そんなはずは無い、そんな訳ない......僕の子だなんて。
医務室のベッドに彼女を寝かせると、担当医に託し、またオフィスへと戻った。
足取りが妙にフワフワして...身体がふらつく。

「おまたせ。........この子は?」

「言ったでしょ、あなたと私の子よ。
 あなたが行方不明になってから妊娠が分かって、...あなたは行方不明になるし
 .............似た者同士だと、慰め合う者同士だって思ってた。でも...気付いたの。
 私はあなたを愛してるって、だから生んだの」

「そんな.......」

年の頃は2才から3才だろうか。
くりくりと大きな目をじっとテヨンに向けている。
彼女の子だと言うのは言うまでもなく明らかなほど,似ていた。

「でも僕は.....君にそんな感情を持った事は無いよ.....」

「それは、あなたは行方不明になるまで私といたからでしょ?
 目が覚めたらあの子がいて、私を恋しがるとか、そんな時間が無かったんだもの。

 宿った命を見殺しにするなんて......突如貴方がいなくなって1人になった私の気持ち
 あなたには........わからないわ。」

彼女は涙を零した。
................確かに、僕と彼女の間には共感しがたい”過去の時間”が存在する。
僕はずっと夢を見る様に眠り続け、目覚めれば夢にいたパク・ハがいて
彼女は,そんな僕が失踪した理由を知る由もなく、1人で過ごして。

「確かにそうかもしれないけど......僕には受け入れられない。
 僕には,僕の人生があるんだ、君をその中に迎え入れる事はできない。
 ........子供には聞かせる話じゃないけど、僕は彼女のパパにはなれない」

テヨンは彼女の一人過ごした時間を思うと、口を重くしつつそう言った。
僕はパク・ハと飲み来しか考える事ができないし、そう言う運命なのに
......なんて事なんだ..........。

「あなた、まだあなたの素性を知って近づいた女に惚れてるの?
 テヨナ,あなたが大企業の御曹司だから,あの子は病院を知ってて,
 甲斐甲斐しく世話を焼いて媚を売ってあなたに取り入ったのよ!?
 変な囈言だって言うじゃない、前世がどうだ.....いい加減目を覚ましてよ!」

テヨンは,その彼女の言い様にカッとなった

「違う!彼女は何も嘘もついてないし媚び諂ってなんて無い!
 本当に,彼女は僕の元に来て,出会う運命だったんだ。
 ............何も知らないのに,そういう風に言うのはよしてくれないか」

「ぱぱ....こあい....」

「あっ.....」

えーん、と子供は泣き出してしまった。

「あぁ、あぁ、怖かったわね、パパ怖くないない、よしよし
 とにかく.........この子にとって父親と言う存在が必要なの。
 テヨン、あなたの娘を受け入れてあげて 」

これが......僕の、子供........?
生命が宿った事に喜びもせず、愛を深める事も無く、
彼女と言う母体が1人で完結させてしまった末の 女の子

「...................」

2人が帰った後、じっと目を閉じていた。
いっそ、今起きている事が夢であればいいのに。

「失礼します。チーム長.....お茶をお持ちしました。....大丈夫ですか?」

心配そうに部下が聞いた。
僕は何をしてるんだ,会社と言う場所で私的な失態を展開して。
おまけに部下に心配される始末じゃないか

「.........大丈夫だよ....仕事中に騒がせてすまなかった。」

「いえ,僕たちは全然大丈夫ですが......医務室で寝ている女性、
 担当医が何度か容態を聞いた様ですが、ずっと泣くばかりで....
 あの、もしかして......も、もし勘違いじゃなかったら...チーム長の恋人ですか?」

「......................」

「す、すみません!僕ったら詮索するみたいに、申し訳ありませんでした」

「いや、僕の恋人だよ。.......まだ医務室に?」

「いえ、先程体調が回復した,と仰って帰られたそうです」

「えっ、医務室を出た!?」

テヨンはイスから立ち上がると、慌ててオフィスを出た。
1人で帰るなんて、あんな風に倒れたのに危ないし....
彼女が家へ向かったのか,心配でテヨンはパク・ハの歩くであろう道を追った。


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by beckanbecka | 2014-05-25 16:25 | 屋根部屋のプリンス短編集


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