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暗道-Second- 36



「またあとで電話するから」

冷ややかで笑みすら感じさせるジェジュンの妖しい声。

ユチョンは、ジェジュンの自信たっぷりの声に気圧されつつも、
一体どういう手段を取るのか気になって、携帯電話を握りしめた。
なんで、俺に出張のことを言ってくれなかったんだ..

ユチョンはため息をつきながら、ドンッと壁に腕を突いた。
遠すぎるから、俺には飛んでいくこともできなければ、
俺がお前を助けるからと口では言ってても無力なことに口ビルを噛む。

俺があいつをここへ何とか連れてきてさえいれば.....

PI PI PI

「ジェジュン...ど、どうかしたの?お義姉さんに何かあったの?」

「....何でもないよ。」

ジェジュンは不敵に笑っていた

彼女はそんな彼の楽しげな表情を見るのは初めてだった。
しかし、彼は楽しいわけではない。その表情は怒りが突破しすぎたが故の笑みで
心の中は沸点すらも軽く超えているのだろう。

「ああもしもし。失礼ですが本日の宿泊者で、........という者がチェックインをしていると....
個人情報で教えていただけない?ああ、そうですか。私は家族の者なので、宿泊してることは
  存じてるんですが....じつは一つだけお尋ねしたくて。」

ジェジュンはすらすらと電話口に言葉巧みに話し始めた

「もしかして、姉は一人ではなくて....という名前の男性と一緒に宿泊していないかと心配で...
え?ああ、心配と申し上げたのは.....以前から姉が何者かから、付きまといを受けていて
  大変怖がっていたのですが、ようやく物証でそれが......という会社の上司だと判明しまして...」

彼女はぎょっとジェジュンを見つめた
そんな大事がお義姉さんに起こってるなんて、一言も聞いたことないけど...!?

ジェジュンはそっと彼女の唇に指で触れた
シーっとサインを送って、微笑んでウィンクを送る

「ええ。そちらが個人情報で姉が宿泊してるか、答えられないのは結構です。
 ただ、もし宿泊をしているならば、決して姉をその男と隣の部屋になさらないでください。
 犯罪が起こってからでは遅いし、そちらとしても事件になり大事になると思いますので...」

フロントの女性は、宿泊者の情報を見ながら真っ青になっていた。
隣の部屋どころか、予約の取り間違え、しかもこの吹雪で満室、....二人は同じ部屋なのだ。
ど、どうしよう.....これで何も起きないわけない。というか、もうすでに何かが....!?

フロントの女性は慌てて奥に引っ込むと、上司に駆け寄った。

「お、お客様が大変なことに.....!!!!」

ジェジュンは電話を切ると、姉の携帯電話にかけた

「あ、ジェジュン....どうしたの?」

「姉貴。なんか声暗いな」

「え?あ...いや、そんなことないよ....どうかしたの?ユチョンさんに何か?」

この様子じゃ、ヒョンへの宣戦布告電話の一件も何も知らないみたいだな。

「姉さん、風呂上がりとかなら、洋服着ときな」

「え?もう寝ようとして...」

「ホテルの人そこ来るから」

「???」

そう言った瞬間、ドンドンドン!とドアをノックする音がした

「お客様!ご無事ですか!お客様!」

「え?あ?、何かしら??ジェジュンどういう事??」

「部屋が用意できたんじゃない?」

ジェジュンは笑った

彼女は事情が飲み込めずドアを開けると、
大慌ての形相のホテルの受付の女性と、マネージャーらしき男性が立っているのを見た

「どうか...なさったんですか?」

「ど、ど、同室の.....方は.....い、いらっしゃいますか.....」

「ああ、その方なら一杯飲みに行かれると出て行って....」

そう言うと、ハアーッと二人は胸をなでおろした。

「本日は満室でご予約一室のみでしたが、特別に一室あけましたので、
  そちらへ今すぐご移動いただけませんか?」

「え?でも同室の者に報告をしないと....」

「こちらから!こちらから連絡をいたしておきますので、どうぞこちらへ!」

慌てた様子で、彼女は促される

「あの、荷物がまだ部屋にありますので...」

「私がお届けいたしますので、先にお部屋へ!」

そう言われ、彼女はわけもわからぬままマネージャーの男性に案内をされ、
数フロア上へと上がっていった。

「こちら若干狭く、スタッフ使用のお部屋でございますが、
 綺麗に清掃は致しておりますので、ごゆっくりお寛ぎくださいませ!
 あ、そして電気系統に支障が出るため、必ず携帯電話の電源を切ってお眠りいただけますか?」

「で、でも皆さんが仮眠できないですがよろしいんで....行っちゃった...」

PRRR

「もしもし、ジェジュン?一体どういう事??
  ホテルの方、ご自分の仮眠室だっていう部屋に私を通してくれたんだけど。」

「うん?ヒ・ミ・ツ❤︎あっは!」

「ヒミツって...一体なんで私の状況が分かっ....あっ、携帯切らなきゃいけないんだった」

「じゃ〜早く切って寝なよ。おやすみ❤︎」

ケタケタとジェジュンは笑った。

......................................................................

「ふーう、さて、そろそろ部屋に戻るかな」

彼はBARを出ると、フロントを通り過ぎエレベーターへ向かった。
何やら視線を感じ、振り返るとフロントの女性と目があった。
彼はにこりと微笑むと、彼女はぎこちない笑顔で頭をさげる、さっきとは何だか違うな?
彼は不思議に思いながらも、ボタンを押す

「お待ちください......様」

何と呼びかけて良いか分からなかった彼女に代わり、マネージャーが男に話しかける

「ええ、なんでしょう」

「チェックインの時は満室と申し上げましたが、運良くキャンセルが出まして
 お部屋がご用意できましたので、同行の方に移っていただきました」

「え?ああ、そうなの。何号室でしょうか」

「そ、それがもう自分は休むから連絡をしないでくれと仰られて。
  明日こちらのロビーでお待ち合わせを、ということで言付かっております」

スラスラと流れるようなその言葉に、彼はBARで油を売っていたことを後悔した。
そんな事をしていなければ、こんな事態にはならなかったのに...

「しかし、僕は彼女の上司だし部屋番号くらいは知っておかなきゃ....」

「個人情報でございますので」

頑として譲らぬ口調だった。
こんな片田舎の小さなホテルだというのに...個人情報は徹底してるんだな。
彼はため息をつくと、わかった、と言い残し部屋へ戻った

『お客様のおかけになった電話番号は、電源が....』

「本当に切れてる」

乱暴に電話のボタンを押すと、ベッドに投げた。
一人にした間に、一体何故そんなに彼女は態度を急変したんだ?
そんなにも俺と同室が嫌だったのか?さっきは、覚悟を決めたようだったのに。

「くそっ...」

待ちに待って罠へおびき寄せたはずが、まさか突破口を作って逃げられるとはな。
彼はスーツのポケットからタバコを取り出すと、カチカチと火をつけた。

.......まあいいさ、逃げれば逃げるだけ捕まえ甲斐がある。
俺の者にならないなら、ならないだけ落とし甲斐があるってもんさ。
彼はタバコの煙をふっと吐き出すと、微笑んだ

俺を本気にさせるなんて、たいしたもんだ。
.......落としてやるよ、絶対に。

「あ、ヒョン?」

「どうだった?ジェジュン!お前一体何をどうやって.....」

「あっは❤︎そんなの簡単じゃん、どこでもドアだよー」

「どこでもドアって....お前なあ、ドラえもんじゃないんだから」

ユチョンは、能天気なジェジュンの言葉にガクッとずり落ちた。

「大丈夫。姉さんは一人で寝てるよ。チーム長様も部屋番号は知らないから安心しな」

ユチョンは、ジェジュンの堂々とした声にほっと胸をなでおろした

「.......すまない。」

「今回はいいけどさ...」

ジェジュンは声色を変えた

「姉貴のそばにいてやれよ、ちゃんと。守るんだろ?」

それは、ヒョンと懐く以前の頃の、生意気なジェジュンの口調だった

「ああ、そうだな」

もう俺が限界だ、不甲斐なくて...情けなくて
ユチョンは、電話を握りしめながら、そっと窓の外の夜空を見上げた。

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by beckanbecka | 2016-03-31 21:40 | 妄想小説

暗道-Second- 35


PRRRR PRRR PRRR

「....なんだこんな夜遅くに...」

まったりと映画を見ている最中、携帯が震えた。
ジェジュンは彼女の肩を抱いたまま、そっと手を伸ばす。

「ユチョン義兄さんからだ、どうしたんだ?一体」

彼女もソファから背中を離し、携帯を覗き込む

「お姉さんに何かあったのかしら」

「!!!....もしもし?!」
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ジェジュンはその一言に、慌てて通話ボタンを押した

「ジェジュン、お前あいつの出張先がどこか知らないか」

「出張...ああ、知ってるけどそれが何か....」

「あいつが危ない。同行した後任のチーム長、あいつが近づこうとしてるんだ。」

「え!?一体それ、どういうことだよ」

ユチョンは分かる範囲で経緯を話すと、ジェジュンの表情が徐々に鋭くなっていった
優しくて人一倍真面目な姉貴が、ヒョンがいないからって他の男に?
そんなわけないだろうが、嘘八百御託を並べやがって。

「あいつに限って、そんなことあるわけないし。
 とにかく、あいつが行動に出る前になんとかしないといけないんだが...」

ジェジュンはユチョンの言葉を聞きながらギリギリと歯を食いしばった。
許せない、あのクソ野郎.....俺の姉貴をなんだと思ってやがる。
横にいる彼女は、ジェジュンの様子を見てただ事ではないと察した。
あまりに彼の表情が冷酷で、憎悪に満ちていたから

「俺に任せろ。チーム内のスケジュールはクラウドで共有されてる。」

ジェジュンはカバンからタブレットを取り出すと、パチパチと指を動かした。
すぐに姉とチーム長の出張先と滞在先は出てきた。
そういえばここ、局地的な吹雪ってニュースで....

慌ててジェジュンはテレビを切り替えると、
吹きすさぶ吹雪と交通規制、外出制限のニュースが流れていた。
...........図りやがったな、あのチーム長
大体、週末の金曜から泊まりの出張なんて不自然なんだよ。

「くそっ...俺が気付いていれば....」

「どこだ、わかったか?教えろ、俺が向かう。どこの県だ」

そこは立地的にも車で到底3時間はかかる場所だった。

「ジェジュン、聞こえてるか?わかったのか!?」

ユチョンの焦った声が聞こえる。
ジェジュンは静かに押し黙ったまま、何かを考えているようだった。
何も聞こえてこない事に、ユチョンは冷静さを忘れ焦っていた

「もしもし、ジェジュ....」

「ヒョン」

その時、落ち着き払った声がした

「なんだ....ジェジュン」

そのゾッとするほど冷酷な一言に、ユチョンは不意を突かれ、黙った

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「俺にまかせとけよ」

ジェジュンはそう言うと、ニヤリと笑った。

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by beckanbecka | 2016-03-13 17:09 | 妄想小説

暗道-Second- 34



「シャワー、先にすまないね。君も入って温まるといい」

当然ではあるけれど、
チーム長は備え付けのルームウェアでバスルームから現れた。
その姿を見た瞬間、彼女は居心地の悪さを感じた

やっぱり無理だわ....
こんな気持ちで一晩過ごすなんてできない。
彼女はそう思いながら、ためらっていた。

「ごめん、居心地悪いよな。上司がこんな格好で出てきて風呂を進めるなんて」

ははっと笑いながらチーム長は言った。
何もかもお見通しなんだ、了承しておきながら恥ずかしい

「じゃあ、俺は地下にあるラウンジで一杯してから戻るよ。
 しばらく戻らないから、その間に寝てしまうといい。」

「はい、申し訳ありません.....」

「いいよ、こんな状況だ。当然さ」

そう言ってチーム長は部屋を出て行った。

一気に脱力すると、彼女は早く済ませて寝てしまおうと
バスルームへと入り、シャワーを浴びた

「っと....いけないな、携帯電話を忘れて......」

彼は再び部屋に戻ると、扉の向こうからシャワーの音がするのを聞いた。

PPP PPPP PPP

”チーム長”

彼女の携帯電話がちょうどその時なり始めた。
一瞬彼女が気付いてシャワールームから出てくるかもしれない、と思ったが
中から気付く気配はせず、彼はそっと電話を手に取った

「もしもし」

「..........この電話の持ち主の身内の者ですが、失礼ですが.....」

「ああ、パク君かい。僕は...彼女の現上司、といえばわかるかな」

「.....!?ど、どうも妻がお世話に....あの、妻は今どこに」

電話口からは、密室のシンとした雰囲気が伝わってくる。
ユチョンは、どこかの飲食店でもない、会社でもない空気の音に嫌な予感を感じた

「ああ、彼女はね」

彼はシャワールームへと近づいた

「今、シャワーを浴びてるよ」

受話器越しに、室内から漏れ出る水音がかすかに聞こえた

嘘だろ?
シャワーを、浴びてるってどういう.....

「先に謝っておくよ、君の奥さんとは今夜一晩一緒なんだ」

「それはどういう....彼女は既婚者で、俺の妻だ。一体どういう状況か教えてくれませんか?」

彼はふっと笑った。

いいね、好都合だよ、泣いて僕にすがってくる彼女を手に入れられたら。

「そういうことだよ。寂しい彼女のそばには、頼れる誰かが必要だってこと」

「ふざけるなよ。どこだ、俺が妻を迎えに行きます。
 彼女のそばにいてやるのは夫の僕の役目だ」

「自分の仕事を優先して、彼女を一人にしているくせに。」

ははっと彼は笑った

「まあ」

彼は窓に近づいてカーテンを開けた

「どこかを君に伝えたところでこの吹雪だ。来れやしないよ」

吹雪......?
彼はそういえばニュースで局地的な大雪だと言っていたことに気づいた。
ソウルじゃ.......ないのか?

「彼女だって女さ、人恋しい時に誰かに頼りたい時だってある。
 安心しなさい、めいっぱい優しくするから」

シャワーの音が止まった。

「出てくるようだから、切るよ」

「おい....おい!やめろ!」

彼は携帯を手にしたまま、自分の携帯をポケットに入れると部屋を出た

「はぁ.......」

バスルームを出た彼女は、カーテンが開いたままの窓から外を眺めた

「ユチョンさん.....」

出て行ってくれたはずなのに、まだ胸がざわついて
眠れるかしら?彼女はそうため息をついた。

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by beckanbecka | 2016-03-12 11:57 | 妄想小説

暗道-Second- 33-



「ふう、長々かかったが契約に至ってよかったな」

「はい、お疲れ様でした。夕食もお持て成しいただいて、どれも美味しかったですね」

出張にある地方都市へやってきた二人は、今夜の宿へとやっと足を踏み入れた。
地方とはいえ観光客やスキー客が多いところらしく、夜の街も賑わっている。
夜になり料亭を出ると、冷え込みもぐっと低くなっていた。

「しかし、やっぱり雪国。寒いな」

「本当ですね、寒さの質が違うというか....」

手持ちのコートでは体の芯まで寒さが伝わってくる。
都心では良くても、雪国では通用しないのね。
彼女は肩をさすりながらタクシーを降り、二人はホテルの中へと入った。

「すみません、本日より一泊予約をしている....」

チーム長がフロントで申し出る

「君はそこの暖炉の近くに座っておいて」

「でも」

「いいから、この荷物も持っててくれないかい」

そんなこと部下の私がすればいいことなのに、
新チーム長は部下より何より、レディーファーストというか優しい。
タクシーのドアも開けてくれたり、列車にしても....ユチョンさん以上かも。

彼女はレセプションの方を見ると、少しだけ新チーム長の背中をカッコ良く思えた。
.......でもフワフワと景色は変わり、いつの間にかユチョンの背中にすり替わる。
ずっと見てきた広い背中、本当はそこにいるのはユチョンさんのはずなのにな...

......もしお付き合いしてる時に、泊りがけの出張とかあってたら
ユチョンさんと私、どうしたかしら?

「お待たせ、部屋に行こうか」

「あ、はい。鍵を...」

「俺が持ってるよ。」

「私の部屋のは」

「何言ってんだ、俺たち同じ部屋でいいだろ?」

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「部屋、行こうか」

「え、えええ!」

彼女が声を上げた時、はっと現実に景色は戻った。

「どうかしたかい?」

心配そうに自分を覗き込む新チーム長
彼女は妄想をブンブンとかき消すと、ささっとソファに座りなおした

「あ、い、いいえなんでもありません」

「困ったことが起きたよ。どうやらツインルームの予約、1つしか入ってないらしいんだ」

「え?」

まさか妄想が現実になるなんて

「ホテル側の手違いで、一室すでに誰かが使っているらしくて」

「そ、そんな」

その時、ホテルの玄関が開きビュウッと強い寒気が入ってきた。
どやどやとホテルの中に入ってくる宿泊者は雪にまみれている。

「まったくいきなりこれだけ吹雪くなんて、油断してたー!」

「本当だよ。バスも電車も運休らしいぜ。」

その声を聞き、二人もドアの方を向く。
たしかにドアの向こうに見えている外の光景は、真っ白になりそうなほど吹雪いている。
さっきまでは、そんなことなかったのに........

「まいったな、他のホテルをあたろうかとした矢先に....」

チーム長は息を吐いた。
もうすでに時間は夜の11時過ぎ、こんなタイミングで部屋がないなんて

「とにかく、ここのエリアのホテルの電話を聞いてくるよ。
 かたっぱしからかけて、部屋があったらタクシーをとろう。」

そう言ってテキパキとレセプションへ行き、私たちは電話をかけ始めた

.......................

..........

「そうですか....ありがとうございました」

プッと携帯電話を切る。目を合わせたが、彼は首を振った
二人で手分けしてかけても、週末の混み合う日、ましてこの吹雪
どこのホテルも満室という返答しかこなかった。

「まいったな、男の俺は良くても君はなあ、ダメだよな。 
 こんな、上司と同室だなんて、無理なのに......」

ため息まじりにチーム長はいう。
仕事の時よりも、なんだか参ったような感じの声をしてる。
チーム長にホテルの予約まで任せて、今の対応もチーム長主導でしてもらって...
私は何にもしてないのに、私のせいでチーム長困ってる。

彼女は、自分の責任を感じていた。
ここまで気遣ってくれてる、きっと仕事で疲れてもいるはずなのに。
私がハイといえば済む話なのに...済む....話

「あのう。」

「うん?」

「私なら大丈夫です」

「大丈夫って....あ、いや君は部屋を使ってもちろんいいよ。
 ごめんね、俺の部屋探しに君を引き止めて。先に部屋に行くといいよ。
 俺はどうにでもなるから」

ますます、心苦しくなる。
そんな大切なお部屋、私だけで使えない

「私、気にしませんから。こんな状況ですし、部屋行きましょう」

彼女は顔を伏せながら、キュッとスカートを握りそう言った。

..........彼女は気付いただろうか?彼がひそやかに喉を鳴らしたのを。

「しかしそれは........」

「チーム長もお疲れなのに、この吹雪ですし外に出るのも....だから...」

「本当に、いいんだね?もちろん最大限の配慮はするけれど」

「はい」

彼女は、今までに体験したドキドキとは、まったく違う胸の高鳴りを感じていた。
嬉しさでも、ときめきでもない。ただ胸騒ぎというかせわしない......
自分を追い詰めてしまったかのような不安に満ちた様な感情を。

「部屋、行こうか」


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by beckanbecka | 2016-02-24 09:15 | 妄想小説

暗道-Second- 32


「ちょっといいかい?」

「はい、なんでしょうかチーム長」

「うん、今度の依頼の件なんだが」

オフィスにて、彼女は呼ばれて新しい上司の席へと向かった。
人当たりはよく、にこやか、年上の貫禄というか、皆慕っている。
ユチョンさんが行った後、どんな人が後任で来るのかと皆心配していたけど、
いつも通りの雰囲気にすぐ戻り、仕事も滞りなく進んでいる。

「実は先方と話を詰めたいんだが、図面ややりとりを直にしたいし、
 土地とベースになる建物も見に行きたいんだ。金曜なんだが出張出れそうかい?」

「もちろん、大丈夫です。
 翌日は先方との予定などは入っていませんか?」

「ああ、午前中に市内へ戻るだけだよ」

彼女はそれを聞いてホッとした。
もちろん、業務だから断るなんてことはしないけれど、
ユチョンのところへ行けたら、と考えていたのだ。

「これ、航空会社の優待券だ。これがあれば当日でも安く乗れるからな」

そう言ってユチョンさんから買ってもらったから、
私はいつでも彼のもとに飛んでいける、という安心に包まれていた。

「わかりました。では、必要な資料をまとめておきます。
 何か他に必要なものはありますか?」

「ありがとう、助かるよ。じゃあこの資料と...」

ユチョンさんも向こうで頑張ってるんだ
私も仕事頑張って、貢献できた実績を積んでいかないと。
彼女はやる気に燃えた

「じゃあ、宿泊先を予約しておくね。」

「はい、お願いします。では資料を揃えてきます」

彼女はそう言ってオフィスを出た。

彼はそっとパソコンの画面に目を戻した

「今週末の天気は...吹雪、か。」


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by beckanbecka | 2016-02-05 11:46 | 妄想小説

暗道-Second- 31



「やあみんな、おはよう」

颯爽と出勤すると、にこやかにユチョンは皆に笑顔を見せた。
なんて月曜の憂鬱な朝からこんなに爽やかなのかしら...
ほう....っと皆がため息をつく

「おはようございます」

「ああ、おはよう」

彼女は真っ先にユチョンのデスクへと進み出て挨拶をした。

「おはよう。」

ニコリとユチョンは微笑んだ。
彼女は何も言わず、ユチョンから何かを待っているようであった。
パソコンに目をやっていたが、彼女が何も話してこないことに彼は気付いた

「何かあった?」

「え?あの...こ、こないだの...」

「うん」

私がオススメしたカフェに行ったのに、感想とかお礼とか
改めてその話ってないんだ、一人で行ったんならお誘いとかあっても...
彼女は幾分、彼に期待をしすぎているようだった

「あ、そうだ。オススメしたカフェいかがでした?」

「ああ!そうそう。良いところを勧めてくれてありがとう。
 妻もいたく喜んでね、おかげで楽しいティータイムになったよ」

何か、時間が止まったような気がした

「あ....」

奥さん、きてたんだ。
だから奥さんのためにチーム長は私に聞いて、
のんきに電話をした目の前には、チーム長の奥さんもいたんだ。

だから、あのあと他の用事で電話しても出てくれなかったし、
そのあと折り返し電話もくれなかったし......
休日はずっと奥さんと一緒だったんだ...

「いえ、それはよかったです....」

「ありがとう」

チーム長はカタカタとキーボードを打ち始めた
ふとみると、普段は気にもならない薬指の指輪が、今日は一際眩しく感じた。

「むかつく!!!」

ドン!と更衣室の壁に拳を叩きつけた。
休日....そうよ、土日になったらあっちも休みなんだろうし来てしまう。
それなら、チーム長の土日は絶対阻止しないと。
いつもそばにいて良いのは私なんだから

彼女はきっと壁を睨むと、意を決したように更衣室を出た。

「では、契約をこれで正式に取り交わすということで。
 本当にうちに受注いただきまして、ありがとうございます」

「なんの、こちらこそよろしくお願いいたします。
 しかし、あんな都心大手の大会社から出向されてる方だ、期待しております」

「都心も地方も関係ありません、精一杯やらせていただきますので
 よろしくお願いいたします」

ユチョンは取り交わした契約書を見て、コーヒーをすすった。

「よかったですね、チーム長」

「ああ、スムーズに行ってよかった。
 しかし.....土日は必ず現場の視察を二人で、なんて.....突飛な条件だな。
 そんなに組合の方は現場の人間を信用してないのかな」

「地方の土建会社ですからね。うちの出すクオリティーをしっかり作ってくれるか
 心配なんじゃないですか?」

彼女はフォローを入れた
いまいち彼はその、地方の人間の考え方は理解できなかった。
歴史もあるし、実績もある会社に受注するし、綿密に打ち合わせもするし
良い会社を選んだつもりなんだが....

「土日か」

まいったな、長くかかるプロジェクトだし、毎週土日時間を取られると、
あいつのところへ会いにも行けないし、二人で旅行も行けないな。
しかしまぁ、いざという時は代理を立ててもいいか...

「しばらくは1週間毎日顔を合わすことになりそうですね」

彼女は何も思わず、その条件に納得しているようだった。
地方に住んでいる彼女もまた、自然に飲み込める条件だったのだろうか
とにかく、ここで私情をうだうだ言うわけにもいかないか。

「ああ、そうだな」

....................................

「そうなんですか、大変ですね」

「ごめんな、二人で色々行きたいところもあるのに」

ユチョンは家に戻ると、妻に電話をかけていた。
本当に責任を負う、重要なポストにいるんだから、仕方ないわ
彼女は彼女で、そう思ったりして納得しようとしていた。

「ううん、いいの。私がそっちへ行けばいいことだし、
 土日出るって言っても、数時間なんでしょう?だったら、その間に家事しときます。
 帰ってきたら、すぐご飯たべれるように^^」

ユチョンはカタンと椅子に座ると、テーブルに乗った愛妻の作り置き料理を見つめた。
これを作ってくれた彼女は、もう遠くにいるんだ.....
でも、今すぐ抱きしめたいのに。

そうだ、そう考えれば毎週末が楽しみに感じられる。
彼は彼女の名前をつぶやいた

「はい?」

「愛してるよ」

「........私もです...愛してます....」

「.............あぁっ お前を抱き貯めしたはずなのに、全然足りてないな」

きゅんとする

「夢の中で今夜、待ってますね」

「....ああ。すぐ行くよ。」

どんな障害があったって、俺たちは進んでいける、そんな風に思える。
毎日、以前よりずっと、どんどんあいつを好きになっていく
抜けられなくて、離れられないほど、溺れていく気がした。

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by beckanbecka | 2016-01-25 21:27 | 妄想小説

暗道-Second- 30

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by beckanbecka | 2016-01-15 21:38 | 妄想小説

暗道-Second- 29



「本当はね」

「んー?おお、うまそ〜」

ユチョンはテーブルに次々と並んでいく料理に目を輝かせていた。

「心配してたんです、新しい職場で言い寄られてないかなって」

「はぁ?ははは。まさか、俺は本社から出向してる立場の人間だぞ?
 そんな、生え抜きの厳しい上司に惚れる人間なんていな...」

「でも、厳しくても真っ当なことを誠実に言ってくれてるわけだし、
 そんな真摯な所も素敵だと思うし、なにより、チーム長は....」

彼女はことんと皿を置くと俯いた

「んー....どうした」

彼は彼女の腰を抱き寄せ、自分の隣に座らせた。

「優しいから、女性に」

「そうか?普通だよ。間違ったことをすれば厳しくも言うし、
 男も女もそこは変わらず接してるつもりだ。
 それに、そんなこと気にしなくていい。俺は別にお前が思うほどもててないから」

「でも....」

「もてない旦那には、お前だけなんだ」

真面目にそう言い切るユチョンに、
自分の心配が杞憂だったような気がして、少し微笑んだ。
かっこいいからって心配になりすぎるのは、私が好きすぎるからかな。

「ふふ」

「だーかーらー、俺のこと...捨てんなよ?」

そう言いながら、チーム長は顔を見せまいと
私のぐっとまた引き寄せ、自分の肩へと凭せ掛けた。

「ったく...さっきといい.....」

ゴニョゴニョブツブツと何かを呟くチーム長、可愛い。

その夜、日頃電話では聞いていたけれど
今ここで頑張っているプロジェクトのことを熱心に教えてくれた。
自分の役割や、リーダーとしての熱い心意気を感じる。
そう、こういうところに私はチーム長に魅力を感じ出して、好きになって...

きっと、そんなチーム長の姿に惚れ込む人はいるんじゃないかな。
........でも、まあ.....私が奥さんだもん、絶対誰にも渡したくない。
じっとそう彼を見つめると、彼もその視線に気づきふんわり微笑むと
すぐ、唇を重ねてくれた。

「なに」

「.......チーム長」

「ん」

「............好きです......」

ユチョンは驚いたような顔をしたが、すぐに嬉しそうに微笑んだ。

「........なんか、仕事の話ししてる横でそう言われると....
会社でウブな部下にイケナイ事するみたいな、感じがするな」

耳元で声が響く
その吐息や、熱までもビリビリと伝わる

「..................」

「俺が仕事の話しをしてるのに、なに考えてたんだ?」

夕飯時の情けない顔とは一転、スイッチが入ると
チーム長はすごく、時折意地悪でとてもエロティックな大人の顔になる。
それにゾクゾクして、どうにでもされたいと、思ってしまう自分の存在もまた

時折、自分の奥底から顔をのぞかせる。


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あけましておめでとうございます〜!
今年もよろしくお願いしますね❤︎って新年の更新遅い(笑)!
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by beckanbecka | 2016-01-07 12:02 | 妄想小説

暗道-Second-28-



熱い時間を重ねた後---------

じーーっ

「どうかしたんですか?」

ユチョンはじっと我が妻の顔を覗き込んでいた。
穴があくんではないかと、彼女は不思議そうにわが夫を見上げる。
身体を重ねた後は、日が暮れた後もベッドライトを灯したまま、
ふたりはベッドの中にいた

「いや、....やっぱむかつくな....」

「えっ!?」

彼女は何かしただろうかと、驚いて身を起こした

「わ、私何かユチョンさんのこと気を悪く....」

「あっ、違う違う!違うんだ。ごめんな」

また彼は彼女を腕の中に抱き寄せた

「.....あ....のさ、お前のその新しいチーム長だけど...」

「はい」

なにやら言いにくそうにユチョンさんは口ごもってて
違うとは言われたけど、何を言いたいのかとドキドキする。
不安そうな彼女の顔に、ユチョンはチュッとおでこにキスをした

「その、お前がこうやって....慕って....いい上司は、俺だけ....だからな」

彼女はキョトンとした。
一応別の部署との兼任とはいえ、新チーム長も上司なんだけど...

「???」

「はいって......言わねぇの?」

不満そうなユチョンの顔

d0302748_131118.png


「え?」

ああ、もう!分かれよな!

「お前が!上司と部下の関係超えて好きになるのは、俺だけにしろよって事だよ!」

そう言うと、恥ずかしさからユチョンはくるりと後ろを向いてしまった。
彼女はやっとその意味に気づくと、背中を向けてしまった夫に笑いかけた。
白いけれど、広くたくましい背中が赤くなってるような気がして。

もしかして、ヤキモチ妬いてたの?
私は電話の向こうの女性に同じ事感じてたのに。

「ふふ」

「んだよ....笑ってるし....」

ブツブツ聞こえる独り言すら可愛い。
じゃあ、機嫌を直してくれるように教えてあげようかな。

「チーム長」

「俺はしばらく寝る!」

「ユチョンさん」

「........スー、スー」

「私、あの事件が起きる前から、ずっとチーム長に片思いしてたんです。」

ピタリと嘘くさい寝息が止まった

「だから、チーム長が家に来た時ドキドキして死にそうだったし...
後にも先にも、上司を好きになるのはユチョンさんだけです。」

彼女が言い終えぬうちに、ユチョンは身を起こし彼女の方を向いた。

「そ....うなのか?」

こくん、と嬉しそうにうなづく彼女が可愛くて、嬉しくて、
ユチョンは満面の笑みで彼女をきつく抱きしめた。
可愛すぎるよ....お前は。

しばし、夫からキスの雨が降り注いだ

「機嫌直りました?じゃあ、そろそろ夕ご飯を」

その瞬間、ユチョンが上に覆い被さった

「え......?」

「後でいいよ」

低い声が響いて、情熱的なキスに変わる

「でも、もう直ぐ6時だし....」

「いいから」

ずるい、瞬時にこんな....エッチいモードに切り替えるんだから

「ぁ.....」

その瞬間、グゥ〜〜〜〜キュキュキュキュと大きな腹の虫がこだました

「.....................」

「ぷぷっあはははっ....」

「わ、笑うなよ!」

「あははは、あははは!お腹痛い(笑)」

「そんなに笑う事かよ!あぁ〜〜〜もう!」

物音しかしなかった彼の部屋から、
今夜は高らかにふたりの笑い声が響いていた。

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by beckanbecka | 2015-12-25 13:24 | 妄想小説

暗道-Second- 27

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by beckanbecka | 2015-12-17 22:07 | 妄想小説


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