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イ・ガクの手習い

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「チョハ♡」

がばっとパクハが抱きついてきて、
イ・ガクは緩まりきった表情で,彼女を受け止めた

「なんじゃ、こんな外ではしたないのぅ....(嬉)どうした、パッカ?」

口では嬉しさを見せまいとお小言を言いつつも、
イ・ガクは嬉しさが爆発しそうな程の表情をしている。
ドアから覗き見ている出勤前のマンボ、チサン、ヨンスルはおかしくてたまらない。

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「だって、今日の夜までチョハと離れ離れだから....」

「な、なんと......(可愛いことを言うではないか...!)
 い、いつもの事ではないか。それに今夜は早く帰る様に勤めよう。
 夕げは早々に済ませて......二人でどこか出かけるか?」

「うん、そうね。久しぶりにデートしたいわ」

 
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イ・ガクは何かを思いついたのか、顔を一瞬ニヤつかせた

「うぅん!そ、そういえば最近、社で目、目を付けておるが山の上のリゾートホテル、
 景色が素晴らしいらしくて....視察も兼ねて.....行ってみるか?」

「本当!?ねえ、じゃあ夜ご飯もホテルで....食べない?
 雑誌で私も見て、レストランのディナーがとても美味しそうだったの」

「う、うむ。夕げはそなたの手料理がいいが、たまには....外食も良かろう」

この瞬間、家事を1日休みたかったパクハはこっそりガッツポーズを決めた。
男4人の食事を朝、晩と作るのは、仕事をしているパクハに取っては大仕事だったのだ。
たまには主婦業(って、私は3人のお母さんじゃないけど!)は休みたかったのだ。

「やった♡チョハ、大好き」

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なんじゃ、今日のパッカは素直で...なんと愛らしいんだ。

「私もパッカ、愛しておるぞ♡」

その瞬間、ゾロゾロと臣下3人がドアからテラスに出てきた

「いやぁ〜今日は外食ですか〜♡」
「楽しみだなぁ、僕どのコースにしようか迷いそう♡」
「パッカ殿、我々も早く帰宅する様にいたしますので」

そのタイミングよすぎる3人の発言に、イ・ガクはガバッと身体を離し3人を睨みつけた

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「そなたらは自分たちで夕げは済ませてまいれ」

「え〜〜っ!」

「だって、二人だけの夕げだもなパッカ.....ん?パッカ?!」

夕飯づくりから解放される事に成功したパッカは、
後は用無しとばかりに、さっさと仕事に出発し姿を消していた。

「やっぱりチョハ、いい事言う〜♡」

「あれ?パッカ!?」

「パッカ姉!??ど、どこだ!?僕達も連れてってよ〜!」

今日はいい一日になりそうだわ!!!

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by beckanbecka | 2014-07-01 09:02 | 300年経っても君を愛す

「君の視線の先」300年経っても君を愛す続編

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「はぁ.........」

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「いったいパクハ殿はどうしたんだ?」

「ほんと、何であんなに落ち込んでるんだろ?」

「まったくいつも俺たちを叱る罵声の勢いはどうしたんだ」

マンボ達3人は、ぼんやりと体育座りをして一時間は経つ彼女を見ていた。
聞こえそうな程大きな声で話していても、聞こえていないのか3人を見ようともしない。
いつもと180度違う彼女の様子に、3人は困り果てていた。

「まったく、そろそろチョハが戻られると言うのに.....
 もし二人が喧嘩をしていたら、とんだとばっちりを受けるぞ!」

「はぁぁ.............」

「パッカ姉〜,どうしたんだよ本当にい〜!」

チサンはじたばたと身体を震わせながら泣き言を叫んだ。

しばらくすると、開錠のメロディーがピロリロと鳴り、3人がハッと振り向いた。
玄関には仕事を終え、幸せいっぱいで帰宅したイ・ガクの姿があった。

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「パッカや〜。今戻ったぞ、パッカや〜!」

いつも玄関まで出迎えてくれるパクハを抱きしめるのが習慣となっているイガクは、
早く彼女の抱擁が待ち遠しいとばかりに、彼女に呼びかけた。
しかし、それに応えたのは3人の臣下の気まずそうな視線と、奇妙な静寂だけであった。
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「おかえりなさいませ、チョハ.....」
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「なんじゃ、パッカはおらんのか?」

若干不機嫌そうなイ・ガクは、3人をじろりと見ると辺りを探した。
しかしリビングにもおらず、キッチンにもおらず、見かねたマンボが
イ・ガクの足下を指差した

「なはっ!!!!!」

パクハは完璧に存在感を消していたのか足下の真横に佇んでいた。
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「ぱぱぱパッカ!....び、びっくりした....なんじゃ、そなた何故そんな所に座っておるんだ。
 そなたの思い人の帰還だというに、一体どうしたのじゃ?」
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イ・ガクもしゃがみパクハの顔を覗き込むが、気付いていないのか
彼を見ようともせず、溜め息を吐くばかりであった。
臣下3人の方を見ると、気まずいのかさっとイ・ガクから視線を逸らす。

まさか、パッカになにかあったのか?
..............もしや、わたしがいぬ間に男に誑かされたとか....ハッ...強盗か!?
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3人は不自然にイ・ガクから視線を背けていたものの、
気になりバカ正直に目を合わせてしまったヨンスルに、イ・ガクはズイと詰め寄った。
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「ヨンスラ!そなた、その様子だと何か知っておるな?申せ」

「し、しかしチョナ.....」

「パクハに何があったのだ?知っておるなら申してみよ!」

「ここでは都合が悪いので外で、お話ししても良いでしょうか」

深刻そうなヨンスルの表情に、イ・ガクは深刻なことかと不安になった。
もしや、テムに轢き殺されかけた時の怪我が、なにか深刻な病になっているのでは。
そう考えるだけで、イ・ガクは背筋が凍る思いだった。

.....................................

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「メール?メール1通でパクハはそんなに落ち込んでおるのか?」

「はい、そのメールを見て以来何をする気力も起こらないそうで....」

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「何奴じゃ!余の妃であるパッカにそのような文を送りつける輩は!
 3代先まで罰してやる!!ヨンスラ!今すぐにそいつをここへ呼べ!!
 余がいっそ一気に叩ききってやる!」

ヤクルトの容器を握りつぶしながら、イ・ガクはワナワナと怒りに震えた。

「チョナ、お静まりください。ここに呼ぶことは不可能でございます」

「何故じゃ?わけを申さぬか!」

「それが.....」

ヨンスルは観念して話し始めた

「パク・ハ殿が受け取ったメールは、コンサートなどのチケット会社からで、
 なんでも、パク・ハ殿が大好きな男性歌手のイベントのチケットが、取れなかった、
 という内容のメールでして.....」

「え.......」

「要は、激戦のチケット予約で落選してしまったのです,チョナ」

事の顛末に、イ・ガクはヘナヘナと座り込んでしまった。
その後家に戻ると、たかがそんな事でという怒りと、歌手への嫉妬でパクハの方へ
ツカツカと歩み寄った。

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「パッカ」

しかし、彼女の瞳は未だに潤んでおり、今にも泣きそうだった。
そんな様子のパクハにイ・ガクは狼狽えると、すぐに口調を緩めた。

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「パッカ、たかが歌手の集いごとき見れないから何なのじゃ。
 そなたには私と言う夫がおるではないか。そ、そなたにだったら、
 私が詩の一つや二つ、歌ってやろう...ウゥン!」

イ・ガクはそうパクハを励ました。
しかし、落選のショックがイ・ガクの言葉で蘇ったのか、見る見るうちに
彼女の瞳から涙が溢れ出した

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「う.....たかが....歌手の集い......」

「アッ」

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「うわぁぁぁ〜〜〜ん!アンポンタン!!!
 あなたになんて私の気持ちは分からないわよ〜〜〜!!!!」

パクハは大声で泣き出し、イ・ガクも臣下三人も大慌てのガクは大困りであった。

.....その日から、臣下3人には「チケット探し」という任務が課せられた。
彼女の不機嫌で不利益を被る、というのは残念な事に当たってしまったわけだ。

「はぁ....チケット譲ります、出てないな....」

「こっちも.....」

「目がチカチカしてくるな....」

3人は会社のミーティングルームで目頭を抑えていた。

「どうしよぉ〜ユチョンのファンミ当たっちゃった〜♡
 もう当日まで毎日がルンルンで過ごせるわぁ♡♡」

「いいなー、私落選しちゃったよ.....」

そんな会話をしてるあなた

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「そのチケット、いくらででも買おう」

ブラックカードを持ったイ・ガクがいきなり現れるかもしれませんよ。

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「というわけで」

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「筆者の大根も見事に落選したらしく、無念のブログだそうじゃ」

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(屋根部屋のプリンス二次小説 更新中!)

無念です。

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by beckanbecka | 2014-06-19 23:34 | 300年経っても君を愛す

ユンノリー300年経っても君を愛す番外編ー


「できたよ」

パク・ハはトッククを持って、リビングに運んだ

お正月だ。

「んん、大儀な匂いだ...早く...早う食べよう」

イ・ガクは自分の前に置かれた椀を覗き込みゴクンと喉を鳴らした。
初めて二人で迎えるお正月は、屋根部屋に私とチョハの二人だけだ。
マンボ、チサナ、ヨンスルさんは、それぞれに親の実家へと戻っている。

この現代に戻ってきた彼らだったが、
やはり現代の彼らの親はどこか、自分の記憶が身体に残っているのか
大事であり,大切に思えるそうだった。

私にはどんな感覚か分からないけれど、
イ・ガクがこの世に最初に現れた時、テヨンさんのお婆様に接して
徐々に打ち解けて、愛情を持つ様になった,それと同じ感覚なのかしら。

「ええ。.......ねえ、チョハ?」

「うん?」

箸を手に取っている時の彼の声は,テヨンだった。
彼もまた,トッククが待ちきれない様だった。
パク・ハはフフッと微笑みながら、そっと呟いた

「今年もずっと、二人でいようね」

テヨンは振り向くとパク・ハに柔らかな笑みを向けた

「当たり前だろ。ずっと、君と一緒にいるよ。
 それに.........離れようとしたって、許すものか.....」

ふっと余裕のある声はイ・ガク

「ほれ、早う食べねば冷めてしまうぞ」

ハフハフと食べ始める
いつもとは違って、シーンと静かな屋根部屋。
騒がしい3人がいないと,こんな感じがするのね...。

でも、無音のこの空間で
彼を見つめて,彼も私を見つめて、ただ微笑み合う
穏やかで,とても居心地がいい。

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二人でユンノリをやる事にした

「こういうの、3人がいたらもっと面白いのに」

ハンボクをしながらパク・ハは笑った。
イ・ガクも臣下3人への無理難題を思いつきでもしたのか
うんうんと頷きながら笑っていた。

「ねぇねぇ、勝った方が相手の言う事聞くってどう?」

「あ、いいね!よし、パッカには負けないよ」

ニコニコとテヨンは微笑みつつも、
パク・ハに敵意のある一瞥を送った、彼もまた負けず嫌いのようだ。
へへん、私これ強いんだから!パク・ハもまた、負ける気はさらさらなかった。

しかし、腐っても元王様
パク・ハはがっくりと項垂れた......
ふっふっふっと企む様な笑いを漏らしながらイ・ガクが彼女を見ていた

「口程にも無いのではないか?パッカ?」

「うぅんテヨンさん!ねえ、あなたは酷い事やらせたりしないよね?
 だって.....あなたの愛する私だもん、ね、テヨンさん」

パク・ハはテヨンを名指しして、甘えて取り入ろうとしている。
しかし無情にも、テヨンは微笑みながらも、パク・ハに告げた

「勝負は勝負だ。さて...うぅん!何を言おうかなあ」

からかう様な視線はテヨンさんも、チョハも
本当にそっくり!まあ、二人は一人なんだから仕様がないけど、
朝鮮時代に帰る前のチョハより,なんだか二人分責められてるみたい!

「うう.....」

「よし、決めた」

パク・ハは度胸を決めた様に深く息を吐いた。
もう!何でも言いなさよ!宮女並みの召使い?それとも使いっ走り?
それとも、汚れきったヨンスルさんの部屋の掃除?何でも来なさいよ!

テヨンはそっとパク・ハの耳元に口を近づけると

「俺、女の子が欲しいな」

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パク・ハは意外な言葉にキョトンとテヨンを顔を向かい合わせた。
言った当の本人は照れているのか、視線を落として目を合わせようとしない
彼女は、彼の言葉を整理しているのか、無言のまま見つめているだけだった

「...............」

「俺は,君に似た可愛い女の子が欲しい」

みるみる真っ赤になっていくパク・ハ
ようやくその言葉を理解すると、彼女は突如、彼に抱きついた。
彼の子供....やっと、やっと本当に結婚した意味を実感できるんだ。

あなたが消えてしまった時に感じた寂しさ
1人になってしまった寂しさを思い出すと、
かけがえの無い二人の間の宝物ができるのだと思うと、嬉しくて仕方が無かった

「嬉しい?」

テヨンさんが嬉しそうに囁く

「うん....嬉しい.....!」

別に、作るまいとしてきた訳ではないけれど
テヨンさんはまだ、このまま二人でいたいのかと思っていたし
その一歩を踏み出した事はまだ無かったから

「俺も....パッカ,もう待ちきれなくなってる。」

ギュッと抱き合って,互いの暖かさをじんわりと感じ合う。
こんな気持ちになれたのは,二人が夫婦だからなのかな。
恋人の時とはまた,違うドキドキ,ワクワクで。

「だから、ずっと、一緒にいよう」

「うん。」

もう時代は私たちを引き裂けないんだから
ずっと、ずっと一緒にいましょう。
二人の愛の結晶と一緒に。

二人は飽くる事無く、いつまでもぎゅっと抱きしめ合っていた。

「........ヘェクシュっ」

「おい、シー!なんか良い雰囲気っぽいんだから邪魔すんな!」

「だって.....二人が寂しいだろうと早めに戻ってきたのに
 もうかれこれ1時間も外なんて....ヘェクシッ!!中に入らないか....」

ヨンスルは鼻を啜りあげながらドアに凭れた。
手みやげを片手に屋根部屋に戻ってきて鉢会わせた3人は、
イ・ガクとパク・ハのアツアツっぷりに圧倒されたのか,
この極寒の中,震えながら様子をうかがっているのだった

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「ヘェクシュっ!」

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by beckanbecka | 2014-01-31 20:55 | 300年経っても君を愛す

300年経ってもチョナを愛す

「チョナ、お好きな番組始まりましたよ〜」

「うむ」

「チョナ、ヤクルトが冷えてございます!」

「うむ、飲もう」

「チョナ、たまには我らとともにジョギングへ参りませんか」

...................

「ふふふ、3人とも本当にチョハが好きなのね」

3人は当然だとばかりに頷いて

「我らの仕える朝鮮の王だぞ!
 当然、チョナに御仕えする事は俺たちの天命、生まれ変わってもそれは変わらないさ。
 ・・・・パッカ姉に求婚した昨日のチョナ・・・俺は改めて思ったよ。
 俺たちは、チョナ以上に尊敬するお人はいないと」

マンボがそう言うと、チサンもヨンスルも強く頷いた。
パクハは、3人の忠誠心と、満足そうな顔を押し殺したイ・ガクを見て微笑んだ。

「チョハ、3人にこんなに思われて幸せね」

「ウ、ウン、それも皆私の人徳あっての事だ」

嬉しさをかみ殺しつつ王の威厳を保とうとするイ・ガク
部屋は、とてもいい雰囲気に包まれていた。
つい数日前まで、私の疑心暗鬼でギスギスと冷たく感じていた部屋なのに。

「......しかしだ、その....今夜は3人で酒でも飲みに出かけてはどうじゃ?」

「えーい、こんなにチョナをお慕いしてると我らが告白しているのに、
 それは無いです、チョナ....そうだ、今夜は4人でとことん飲み明かしましょう!」

チサンの一言で3人はわっと盛り上がり酒を買いにいくと身支度をし始めた

「それは今度で良かろう!今夜は3人で行ってまいれ!」

「チョナ、こんなに俺たちがチョナを思ってるのにひどいです!
 今夜は俺の杯を全て受け入れてもらわなければ!」

ヨンスルはジャージのジッパーを首まで閉めた。

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「ウン!ウン!」

ちらちらとイ・ガクはパクハの方を見ながら、咳をした。
マンボはハッと気付き、チサンも思いついた様にニヤニヤとマンボを見て頷いた。

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「3人で.....明日は休日じゃ、遅くまで飲んで日頃の疲れを忘れてくるが良い!」

「しかし、チョナ.....!」

マンボがヨンスルの口を塞ぎ、チサンはヨンスルを羽交い締めにした

「そういたしますチョナ!
 ............我々、と〜〜〜〜〜〜っても遅くなります故、
 お二人は気にせずにお休みになって下さいませ」

「そうそう!もしかしたら朝まで飲んでいるかも.....
 お二人とも俺たちを待たずにお休みくださいませ!」

ニコニコ、しながら2人は抵抗するヨンスルを引きずっていった。

「う、うむ、楽しんでくるのだぞ!」

「ありがたきお言葉、甘えさせて頂きます!
 ............それじゃパッカ姉.........グッバム♡」

チサンがパクハにウィンクを送り、3人は出て行った。

「どうしたのチョハ.....せっかく3人がお酒に誘ってくれてるのに」

パクハは事情が掴めずにキョトンとしていた。

「....まだわからぬか?

 今宵は..........私とそなたの2人だけだ、という事だ。

.............ゴホン」

イ・ガクの言葉にパクハは固まり、そしてボッと赤くなった。

「マヌケ......」

「なっ、夫になる人間に間抜けだと!?あ、待て、待たぬか!」

パクハは夕食の片付けに皿を持って台所へと行ってしまった

「私がマヌケか?なぜじゃ?
 妻になる女と....ゴホン、仲を更に深めるのは大事な事ではないか?
 パッカ、ばぜ私がマヌケなのじゃ?」

洗い物をするパクハの後ろで、イ・ガクはウロウロとしながら
パクハを必死に覗き込んで熱弁を振るう

「マヌケ、これじゃ3人に、今夜私たちがその.....
バレバレじゃないの!」

ほぉん。

イ・ガクは、パクハが照れている事に気がついた

「そなた、そんな事を気にしておったのか?
 王の一挙一動など、朝鮮では臣下は全て知っておる。
 私とそなたが結婚するのは明白なのに.....ウウン!」

イ・ガクは悪戯にパクハを見ると笑った

「なに.....3人にバレた所で、もう遅いであろう?
 .............パッカ.....私の部屋に....」

イ・ガクがパクハの肩に手を置いた

「マヌケ.....」

「まだ言うか?
 ..........ベッドの中でなら、何度でも言ってくれてかまわんぞ....」

少しずつイ・ガクの声のトーンが変わっていき、
パクハは背中を向けたまま 胸をドキドキと鳴らした。

もう....

「パッカ、部屋に行こう」

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by beckanbecka | 2013-10-12 14:39 | 300年経っても君を愛す

300年経っても君を愛す番外編-朝の風景-

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昌徳宮でプロポーズの翌日

朝のさわやかな風を感じながらなんとなく、
イガクは1人で早朝散歩に出た。
今まで見慣れた景色でも、今日は違って見える。

なんて、緑が鮮やかなのだろう
なんて、世界は美しいのだろう
なんて、私は幸せなのだろう

空気をいっぱいに吸い込むと、目を閉じて深呼吸した

階段を上がると愛しい彼女の背中があった

「ウ、ウン!」

彼女が振り返って、イガクの方を見ると微笑む

「おはようチョハ、どこにいってたの?」

「うん?......これをお前にと思ってな.....」

さっと、道ばたで摘んだ花々のブーケを差し出した。

パクハはパッと顔が綻ぶと、イガクからブーケを受け取った。

「ありがとう、チョハ」

「なに、このくらいの事....」

「大好きなの」

「私だってお前を愛してる」

「私も愛してるっ」

パク・ハがピョンとイガクに抱きつくと、幸せそうに彼は彼女を抱きとめた

今日も暑い一日が始まろうとしている。

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by beckanbecka | 2013-08-03 07:30 | 300年経っても君を愛す

300年経っても君を愛す-68-

「うううっううう〜〜俺は嬉しいですチョナ〜うううう」

「うるさいな男泣きは後にしろよ!」

ドンとヨンスルの尻を蹴飛ばしながらマンボが急かすと、
3人は去っていった、ライトアップの消灯作業に映らなければいけない。
イ・ガクはそっと手を出すと、パクハは大きな手に手を重ねた。

まるで、初めてテヨンさんに南山公園で会った時みたい。
私は確かにテヨンを見た時、そこに佇むイ・ガクを見たのだった。
あの時とデジャヴの様な感じすらする。

「少し散歩するか」

「うん。」

手をつなぎながら灯籠の浮く橋を歩いてみる。
今は手をつないで、横にイガクがいる。
何度も1人でここを渡る度に、この応世子の姿のイガクの、後ろ姿がよく
脳裏に浮かぶ事があった

「思い出すな、お前とここにデートに来た事も、
朝鮮時代、私が嬪宮と2人でここを良く歩いた時、ブヨンは何も言わず
そっと私の後ろを続いて歩いたものだ」

後ろ姿....なぜ後ろ姿なんだろう
想像ならば正面からのイガクのイメージを描くはずなのに....
と思っていたパクハは、ハッと気付いた

「チョハ、もしかしたら、私少しブヨンの記憶が残っているのかも」

その一言に驚いてパクハを見るイガクだったが、
パクハが話して聞かせると、嬉しそうに頷いた
きっと、それは何度もブヨンがイガクの背中を追って歩いたからだろう。

「かもしれぬな、そうするとブヨンは私のことが好きで好きで堪らなかったらしいな」

ふふっと満足そうに笑うイ・ガクはまじまじとパクハを見ると立ち止まった。
そして、ギュッと抱きしめる、防止も相俟って背が高い高いイ・ガク。
出会った頃の奇妙な関係な頃の想いが蘇る。

「最初会った時はなにこの気狂い達!って思ったのに...」

「私も、一体この世界は天国なのか地獄なのか、恐怖だったな」

あははっと2人で笑い合うと改めて結ばれた喜びに満たされた

「こうして2人結ばれるまで、本当に色々あったな....」

「そうね.......」

「これからもっと、色々あろうが、ずっと側にいてくれるか?」

「もちろん。もう私が離さないから」

2人はやっと唇を重ねた。

芙蓉亭に着くと、そこには色鮮やかな包みが置いてあった。
イガクがそれを手に取ると、パクハに手渡した。

「開けてご覧」

パクハはドキドキしながら包みを解くと、色鮮やかなチマチョゴリだった。
鮮やかなミントグリーンのチョゴリと、オレンジのチマ。
とても鮮やかな色彩にパクハは吸い寄せられた

「綺麗だわ....どうしたの?これ」

「ブヨンがよく着ていた色のものだ。
ミミはパッカと服のサイズも全く同じとマンボから聞いたのでな....
ミミに頼んでナイショで作っておいたのだ...」

「あ、そうだったんだ.....」

ラブレターじゃなかったのね....。
今さらながら盗み聞きを勘違いしてここまで1人で拗ねるなんて、
恥ずかしくて真っ赤になった。

「家に戻ったら着てくれるか...?」

「うん、もちろんよ」

イガクは袖からサッと小箱を取り出すとゆっくりとそれを開けた。
そこには指輪が二つ、入っている。
パクハは信じられない様にイガクの事を見た

「手を....出してくれ........」

パクハが恐る恐る手を差し出すと、イガクは薬指に指輪を填めた。
シンプルだが、キラキラと大きめのダイヤが輝いている
きっとかなり値が張るものに違いないのに.....

パクハも指輪をとると、イガクの指にはめた。
改めて見るとゴツゴツとして太い指、男らしい手が素敵だ。
顔はとても優雅な貴族の顔をしてるのに、手はとても男らしい。

ギュッとイガクがパクハの身体を抱きしめた。
光のせい?ううん、そんな事無い。
今夜のイ・ガクはとても優しくて、優雅で、素敵だった
こんな人が私を一生愛してくれるの?

ああ ありがとう、ブヨン。
私と彼を巡り会わせてくれて。

「チョナ〜そろそろこちらも消灯いたします!」

チサナの声が遠くから聞こえてきた。
さあ、私たちの家へ帰ろう、5人の屋根部屋へ。

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by beckanbecka | 2013-06-19 23:20 | 300年経っても君を愛す

300年経っても君を愛す-67-

そこは昌徳宮だった。
いつも昼間は観光客でにぎわうここも今は夜。
静かに大きな門がそびえているだけだった

入場用の門が開き、イガクに手を引かれ2人は夜の昌徳宮へ入っていった。

「わぁ......」

中は色とりどりの雪洞(ぼんぼり)でライトアップされており
何とも幻想的な世界が広がっていた。
明るい時の景色とは全く違う光景にパクハは驚いた。

イ・ガクはその驚いた顔に満足そうに微笑んだ。

「綺麗であろう?余しか知らぬ夜の昌徳宮の顔....」

ライトアップされた仁政門を潜ると、
幻想的な照明で荘厳な雰囲気に包まれた仁政殿がある。
この夜は満月で、空からは煌々と月の光が差し込んでくる。

パクハは言葉に表せない程美しい世界で、
まるで300年前にイガクとともにタイムスリップでもしたかの様な気がした

「300年前にあなたといるみたい......」

イガクはその言葉に笑う。
まるで、ブヨンと2人で夜の逢い引きでもしている様な感じだ。
嬉しくて、顔が綻ぶ。

イ・ガクはパクハが見とれいる間にどこからか、
淡い桃色、蒼、白の提灯を手にしていた。紙から柔らかな光が漏れる
2人は大造殿の辺りを通り過ぎると、光に包まれた静寂を歩いていった

「.....昌徳宮って、夜間公開なんかしていたかしら?」

「いや、特別に月見夜行として夜の昌徳宮のツアーを組んで売り出したのだ。
それで最近忙しくして、中々お前と一緒に夜過ごせず....すまなかった」

「そうだったの...綺麗だわ。」

「だから、お前に一番に見せたかったんだ。」

イガクが微笑んで、ギュッと手を握ってくれた。
夏の夜とて鬱蒼とした木々に囲まれたここは肌寒い程だ。
少しパクハが震えると、イガクは上着を脱いで肩からかけてくれた。

1人で昌徳宮へ何度も訪れた時、必ず幻影の様にイガクの姿を見た。
自分に微笑みかける現代の服装の彼も、王世子の凛とした彼の後ろ姿も。
幸せな思い出も、辛い思い出も 色んな思い出がここにはあった。

やがて2人は芙蓉池に辿り着いた。

蓮の花の様に、桃色と白の灯りに包まれた芙蓉池はロマンティックだった。
池には灯籠が浮かべられ、ボンヤリとした灯火が水にプカプカ浮かぶ。
都会の喧噪で、何に遮られるでも無く月光が水面に映ってキラキラと揺れていた。

「素敵..........」

「パッカ、橋を渡って芙蓉亭まで歩いておいで。
 そこに、そなたへの贈り物がある。」

イガクは建物の方へ走って消えてしまった。
夜の昌徳宮、夜の森に囲まれた芙蓉池、柔らかな光のお陰で全く怖くもなかった。
景色に見とれながら一歩一歩橋へ近づいていく。

光溢れるそこに一体何があるの?

あなた以上の贈り物なんてある訳が無いのに。

ユラ ユラ

蓮と灯籠の光

キラ キラ

水面に反射する月の光

導かれる様にパク・ハが歩いていく。
すると、前方から突如男の声が聞こえた。

「王世子様の御成である!」

大きく格式張った声にパクハがハッと前を見ると、
そこにはイガク,その後ろにマンボ、チサン、ヨンスルの4人が立っていた。
..................2年と数ヶ月前、初めて出会った時のままの格好で。

いつもの和気藹々とした表情は一切感じられず、
チサンとマンボ,ヨンスルはあの当時見せた固い官僚然とした表情をしている。
一番前に佇むイ・ガクにも、パクハに対する笑顔や、優しい視線は無かった。

パクハはそのまま立ち止まって呆然として4人を見ている。

イ・ガクは悠然と王の余裕とばかりゆっくり、ゆっくりと歩いていく。
その後ろに付き4人も王の後ろに続いて歩く。
一体、何が起こったと言うのだろうか、今夜が さよならの日なの?

パクハの前まで来ると、ピタリと立ち止まった。

イガクは何も言わず暫しパクハをいつもと違う表情で見つめた
その表情はあの夜、初めて出会った時の様な顔。
何を......彼は言うのだろうか。

「パク・ハ.....

ブヨンに導かれ余がこの世へ来てお前に出会い、
私の世界も、考え方も、すべてが変わった。
余は昔、華の様に美しい妃を娶りたいと申したものだが、
.....本当の美しさとは何か、私はそなたから沢山学んだ。

人を想う心だ。

お前程、人を想い、人を愛せる人間はおらぬ

余は、お前を好きになればなる程苦しめて、泣かせてしまった。
それでも余を愛してくれる、そなたの心がこうして300年の時を経て、
再び余をそなたの元へ導いてくれたのだと思う。

パッカ、お前が好きだ。
これからは、お前を泣かせる事はしないと約束しよう。
死が2人を分つまで、私はそなたと共に歩んでいきたい。

いや、死が2人を離ればなれにしたとしても、
また生まれ変わり、何度でもそなたを見つけよう。

パクハ、300年経っても,何百年経ってもお前を愛している

結婚しよう」

聞き終わる頃には、パクハは瞳が涙でいっぱいになっていた。
堰を切った様に流れ落ちる涙の筋が頬を伝って、
ポツン ポツン と橋に落ちた。

イガクも瞳が潤んでいるがグッと我慢している
その後ろでチサン、マンボ,ヨンスルも目を潤ませ唇を噛んでいる。
そんな4人を見て、パクハは胸がいっぱいになった

朝鮮時代に戻るって この事だったのね。
それなのに私、自分一人で勘違いして、拗ねて
ごめんね

パクハは嬉しさと申し訳なさで、
いよいよしゃくり上げて泣いてしまった。
イガクはそんなパクハの手のひらを取り、優しく撫でた。

「早速泣かせてしまって....余は駄目な夫だな」

パクハはブンブンと頭を横に振った。
こんな優しい人、私にはもったいないくらいよ、チョハ。

「私も....私もあなたの事を愛してます....
もう、私を1人にしないで....ずっとずっと一緒に...いて、下さい....」

パクハは泣きながら、言葉をゆっくりと絞り出すように話した。

「私も...何百年、何千年経っても、あなたを愛してます....」

パクハの答えを聞くと、イ・ガクも涙を流して、パクハを抱き寄せた。
まだ作り立ての匂いがする王世子の服に抱きしめられながら、
パクハも再び涙を流して抱きついた。

もう離れない もう離さない
何度生まれ変わっても君を愛そう
そう2人は互いに想い合った。

臣下3人もやっと肩の荷が下りたのか、鼻を啜り泣き始めた
....が、ヨンスルは大きな声で男泣きをするものだから、
振り返ったマンボに頭を叩かれていた。

「おいヨンスルうるさいぞ」

「だって....うっうっ....こんな感動する....うっ....しょうがないだろ〜」

ヨンスルはしゃくり上げながら弁解している。
灯籠に照らされた幻想的な芙蓉池と、空から注がれる月光の中、
4人の笑い声がずっとずっと響き渡っていた。

---------------------------------------------

★注釈:実際の橋を歩くロケ地が広寒楼苑(南原)のため、
 話の中では昌徳宮の芙蓉池にかかる橋とし、橋の向こうに芙蓉亭があるという設定です。

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by beckanbecka | 2013-06-15 00:00 | 300年経っても君を愛す

300年経っても君を愛す-66-

パク・ハは携帯電話を手に取ってみると、
画面には沢山の着信と、ボイスメールが入っていた。
全てを聞いていくとほとんどはマンボや、チサン、ヨンスル,ミミからだった。

一番最後の入っているのがテヨンから。

再生してみる

「私はそなたと長く一緒にいたいのに
 これでは寿命がどんどん短くなるぞ、はやく私の元へ返っておいで」

チョハらしい一言だった。
その威厳を保ちつつ不安そうな声色は隠せない。
くすっとパクハは笑った。

イガクに電話をかけると、すぐに通話に切り替わった

「もしもし?パッカか....?」

「うん.....」

「無事で良かった.....今日は1人で何をしておったのだ?」

本当は怒ってもいいのに、それが当たり前なのに、
予想に反してイガクは優しい声でパクハに問いかけた。
それだけでイガクの優しさがじわりと胸に染み込んでくる

彼だって、チサン達同様に心配したはずなのに。

「一人ぼっちじゃ外出もつまんなくて。うん...今はお店にいるの」

「そうか...1人で出歩くより私と一緒の方が楽しかろう」

「うん、本当ね」

パクハは泣いていた。
優しいイガクの言葉に、心の広さに。

「パッカ、今宵はとても月が綺麗なんだ
 今から迎えにいくから、私とデートしないか」

「うん」

イガクは電話を終えると臣下3人に告げた

「今夜にする」

------------------------------------------

車が店の前に止まると、カウンターに腰かけていたパクハはドアに近寄った。
イ・ガクも車から降りるとドアへ歩いてくる。
ガラスのドアごしに2人は見つめ合い、そっとパクハがガラスに触れると
イガクもそっとガラスごしに彼女の手の位置に、手を重ねた

お互いの姿を幻影の様に幾度も見たのに触れられなかった,あの頃の様。

チリンとドアが開くとイガクは手を伸ばしパクハを抱きしめた。
優しい抱擁、大きな手は優しく身体を撫でてくれる。
好きな匂い、イガクの優しい匂い

パクハがごめんねと口を開こうとしたら、
イガクが優しく唇を重ねた

「待たせたな」

優しい人

「ううん」

行こうか、と彼が私の荷物を持ち、私の手を引いて出ようとしたけれど
私はそのまま立ち止まり、彼が私を振り返った。

「あの....ガク...ごめんね、ごめんなさい...」

言葉にすればする程、涙があふれてきて頬をこぼれていった。
イガクはフッと笑って指で涙を拭ってくれた
胸に抱いて囁く様に言った

「お前がまた私の側にいる、それだけで充分だ」

走行中、イガクは片手でパクハの手をずっと握っていた。
温かい彼の手がイガクであろうとテヨンであろうと、もうどちらでも良かった。
車が止まると助手席のドアが開けられて

テヨンがそっとパクハの手を取った。

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by beckanbecka | 2013-06-14 20:00 | 300年経っても君を愛す

300年経っても君を愛す-65-



4人は屋根部屋でソワソワとしながらリビングに座っている。
イ・ガクは携帯電話を片手に歩きながら画面ばかり見ている。
マンボが電話をかけた時に繋がらなかったパクハの携帯だが、その後
何度連絡しようと電源が入る事は無かった。

テーブルには手紙が置いてあった

「少し1人にさせて下さい。」

たった一文の手紙。
今どこに居るんだろう?それすら全く分からない。

---------------------------

ソウルの喧噪は夜になるほどに煌びやかになる

パクハは行く宛てもなくブラブラしていたが、自分の店にたどり着いた。
明日も休みにしなくちゃ....短期間休業って書いておこう
ドアをカチッと開けると、チリンと鈴がなる。

1つだけ電気をつけると、パクハは椅子に座って暗い店内をぐるっと見渡した。

「そなたはこれから1人で生きていかねばならん..これが私の答えだ」

そう言って彼がくれたこの場所
私のために4人がくれた場所
あの時は貴方がい無い人生なんて考えられなかった
今だって、私一人の人生なんて考えられない

「あれ、こんな遅くまで電気ついてるから、何かと思ったら....」

はっとパクハは顔を上げると、久しく会っていなかった常連さんがいた。

「あ.....お久しぶりです。お元気でしたか?」

最近この常連さんが来なくなって久しかった。
てっきり引っ越しかなにかで縁が無くなってしまったのだろう、と思っていた。
常連客の男性はいつもの柔らかい口調で言った

「何か悩みでもあるのかい?いつもの君らしくない顔をして」

「あはは、こんな薄暗い所で1人いたら、不気味ですよね....あはは...」

「いいや、そんな事思わないさ。

....この場所ってさ、君の優しさが満ちあふれてるんだ。
来る度思うよ、君の優しさと...それ以上に何か、包み込む優しさがある。
だから君はここに....きっと包まれに来たんじゃないかな?」

「いつも思うんですけど、とても...ロマンティックですよね....」

彼は無意識の言動だったのかきょとんとして、軽快に笑った。
パクハは気分がいつもの様に柔らかくなり、笑顔になった。

「あっはっは!何を言いだすかと思えば、俺がロマンティック?」

「そうですよ、熊のぬいぐるみくれた時だってそう思ってました」

「ははは、ふう、まいったまいった」

男性はおかしそうに笑いながらハンカチで汗を拭った。

「パッカちゃん、恋の悩みだろう」

「えっ」

パクハは、ドキッとした。

------------------------------------------

男性客はカウンターに腰かけて、外の丸い月を見ながら言った。

「僕はいつも、『相手が明日死んでしまったら』って考えるんだ。
今日が最後かもしれない、明日はいないかもしれないって。」

パクハはそんな男性の話を聞く

「もし喧嘩したまま仕事に行って、そのまま彼女が逝ってしまったら?」

「..................................」

「謝りたくても、相手はもういない。
そんな結末、辛すぎないかい?一緒にいられる時に許し合わないとダメなんだ。
きっと一時の意地が、一生の傷になってしまうかもしれない。」

男の話はとても説得力のある話し方だった。
もしイガクが今、この瞬間にこの現代から消えてしまっていたら....
帰って、誰も残っていなかったら.......

そう考えると、300年と言う時間の狭間で、
会いたくても会えなかったあの日々の事を思い出した。
いくら相手を想っても、300年前の王世子、既にこの世を去っている人。
そんな彼が元気かどうか想っても....歯痒くて何度もパクハは泣いたものだ。

"........もし、私がいないまま今夜彼らが消えてしまったら?"

やだ やだよ

「きっと彼も心配してるよ」

画面がオフになったままの携帯電話をカウンターから拾い、
電源を入れてパクハに手渡した。

「奥さんはきっと幸せね、あなたみたいな旦那様がいて」

「うん、きっと彼女も空の上でそう思ってくれてると思うよ」

男性の口から思わぬ言葉を聞いた
彼はそれに気付くとあははっと笑った

「つい先月なんだけどね、お先に空に行っちゃったんだ。
でも、空の上からいつも見てる、ずっと愛してるって言ってくれたからさ。
僕は悲しくなんて無いよ」

パクハは無意識に泣いていた

「ごめんなさい....」

「大丈夫、泣かなくても大丈夫だよ。その代わり彼に電話かけてあげて。
.....それでバタバタして来れなかったけど、また朝買いにくるからね。
お休みになんてしないで」

そう言ってかれは店を出て行った。

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by beckanbecka | 2013-06-14 10:40 | 300年経っても君を愛す

300年経っても君を愛す-64-

「何か、隠してない?」

部屋に入るとパクハがテヨンの方を振り返らずに呟いた。
ああ、やはり今日も気付かれてしまっていたか....
イ・ガクは胸が苦しくなった。

「ただの仕事の話だよ、心配させてごめん」

テヨンがパクハの手を取る
小さな彼女の手、握り返さないままの手をギュッと包む。
パクハは壁の方を見据えているままだ

「嘘、何でそんな嘘つくの?
 私はあなたに嘘なんてついた事一度も無いのに」

パク・ハ......

「パクハ、何か誤解してる。僕は君に嘘なんて何も...」

「不安なの!一緒にいてくれても1人みたいに不安なの!」

振り返るとパクハは涙をいっぱいにしていた
胸が痛い、いっそ全て君に話してしまえたらいいのに。
パクハは胸の中に飛び込むと、トントンと胸を叩いた

「ねえ、マンボ達の言ってる事なんなの?朝鮮時代に戻るって何なの?
 あなたが王世子に戻るって何なの?」

パク・ハは静かに泣き出した
ぎゅっとイガクの身体を抱きしめて、温もりを求める様に。
イガクは震えながら泣くパク・ハを抱きしめて背中を摩った。

早くしなければ時間がないな....。

「パッカ、明日の夜デートに出かけないか?
 お前と行きたい所があるのだが.............」

「行きたい所......?]

「そうだ」

-------------------------------------

「どうしたのパッカ、元気ないわね」

その日はお店もお休みなのでベッキー達の家を訪れた。

「うーん....」

「なに、チョハと喧嘩でもしたの〜?」

ベッキーにニヤニヤと言葉を投げかけられつつ、
そう言う訳ではないけど釈然としないパクハはクッションを抱きしめた。

「う〜ん.....」

「あらら、これはお悩みのようね」

ミミがキッチンから出てくるとニコニコしてパクハに聞いた

「パッカ、こないだの封筒マンボオッパに渡してくれた?」

「あっ......!まだ!ごめん!」

「あっ....そうなの?いいよ、じゃあ電話するから」

ミミは大して気にもしていないようだったが、
パクハはあの夜封筒をもって2階に上がったまでは憶えているけど、
その後あの会話を聞いてしまってショックで....封筒をどこにやっただろう?
その記憶が無かったのだ。

ベッキーの家から戻ると慌ててリビングを探す
どこに置いたっけ.......持って上がって.....マンボ達の部屋の前にいて...
その後降りてきて.........

もしかして、今日の朝マンボがリビングで気付いて既に取ったとか...?
パクハはためらったが、マンボの部屋に入って確かめようと想った。
2階に上がりマンボの部屋のドアを開ける

「嘘でしょ.........」

段ボールに詰められた荷物
まるで引っ越しでもするかの様な有様の部屋。
彼らはここから居なくなってしまうのだろうか

考えれば考えるほど苦しい もうやだよ ひとりぼっちみたい

パクハは携帯をオフにすると、少し大きめのバッグに洋服を詰め込んだ
何だか、ここに居たら1人で狂ってしまいそう。
そんな気がしてパクハは逃げたかった

「え、パッカ姉がそんな事を?」

「うん、表情変えて帰っちゃったんだけど...封切られて中見られてないよね?」

「いや、封はしてあるまんまで俺の部屋の前に落ちて....
 パッカ姉に電話するよ、サンキューなミミ。」

「オッパ、ねえ手紙も読んでくれた?」

「..........ああ、いいよ。今度デート、しような」

「オッパ.....うん!」

マンボはフフフッと笑うとチサンがチャチャを入れる様に笑った。

「なんだマンボ〜ミミとデートするの〜?」

「......う、ううんっ」

咳き込んでごまかす様子がイガクそっくりで4人は笑った。
マンボはパクハに電話をかけるが、電源が入っておらずボイスメールに切り替わった。
いつもは電源が入ってるはずなのに...

パクハはそっとテーブルに手紙を置くと部屋を出て行った。

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by beckanbecka | 2013-06-13 09:49 | 300年経っても君を愛す


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