静かな海の様に-3-

「待って.....」

振り返るとパクさんが立っていた
私は驚きで何も言葉が出てこなくて、パクさんの顔を見るばかり。

「これ、挟んだまんまでしたよ」

「あっ」

しおりの代わりに挟んでいたメモ帳。
いくつかの用件と、私ったら変な落書きまでして.....
それを見られたんだと思うと、更に気まずくボッと顔から火を噴いた。

パクさんは、クスクスと笑っている

「すいません、私が変な事言うからですよね」

優しい声

「いえ...そんなこと...」

「本は、楽しんで読む物です。自分にしっくり来ない本だって当然ありますし、
無理して読む必要はないと思います。」

「..お恥ずかしながら、仰る通り難しすぎて読めなくて...」

ちまちまと受け取ったメモを弄りながら、恥ずかしそうに彼女が言うと
彼はふっと優しく微笑んでいた。本当に真面目に読書をする人なんだな。
読んだか読んでない1日、2日おきに分厚い本を借りにくる女性とは違う

「すみません先ほどは。驚かせてしまって。」

「いいえ。あの、実はドイツ文学作品を少し補充入荷したんです。
 よかったら、カウンターの近くに特設コーナーを設けたので、借りて行ってください」

その一言に、彼女はぱっと顔を上げた

「本当ですか?」

「はい。」

にっこりと微笑む司書さん
何で、この人は誰にでも優しくて暖かいんだろう。
私の事を”身体だけだ”と言い捨てて別れた恋人と同じ人種とは思えない。
まあ、それは私が図書館の利用者で,パクさんが司書だから、という理由しかないけれど

どんどん、好きになってしまう。

...........................................................

「こんにちわ、ご返却ですね」

「ハイ♡パクさん、今日もあえて嬉しいよー。」

「はは。3冊全て返却完了ですよ」

一階に下りると、あきらかにパクさんを落とそうとしている様子の、
男の好きそうな服装をした、若い女の子がカウンターで話しかけていた。
男なら、じっと身体に目が行ってしまうであろう

パクさんはいつもと変わらない涼しい顔で微笑み返している。
そんな様子が彼女は面白くないらしく、パクさんの手を素早く取った。
 
「ねぇ、パクさぁん」

パクさんは嫌な顔もせず,微笑みながら彼女の手に、手を重ねた

「ダメですよ。次にお待ちの方をお待たせしてしまいますから」

そう言って、彼女の手を掴み引き離す
罪な人だ、傷つける事もなく、その場を終わらせてしまう。
しかし、されたほうの彼女は更に彼に抱く恋心を深めてしまった様だった。

やっぱり、利用客からそういう風に思われる事って
パクさんには日常茶飯事の事だし、扱いも慣れているんだなあ。
カッコいい、カッコいいとは思ってたけど、自然にあんな対応が出来るって、

「はぁ、やっぱりプライベートではすっごいモテるんだろうなぁ....」

そう良いながら、彼女はハァ〜とため息を吐いた。

パクさんの座っているカウンターの横に、特設棚があり
並んでいる列を邪魔しない様に、そっと陳列を見てみると、
あっ!あれ読みたかったんだ!と思うタイトルがずらりと並んでいた。
書庫にあっても持ち出し禁止で中々読めなかった作品や、入手困難な作品
興奮してあれもこれも、と手に取ってじっくり見入ってしまう。
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彼は、カウンター越しに彼女に気づくと、バーコードを読み取りながらも
ちらり、ちらりと彼女の様子を見つめていた。

「わぁ、これもある!」

そう彼女の口が動く度に、彼はふっと微笑んでいた。

.......................................................

「ああ!大量、大量!」

嬉しくて、限度量ギリギリまで借りてしまった。
パクさんの所は案の定長蛇の列だったので、別のカウンターで借り、
お礼は言えなかったけど、パクさんは私に気づいてる風でもなかったし、
まあ...ありがとうって伝えられても..って感じかなあ。

彼女の気分は上がったり、下がったり。
乙女心は難しい物である

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by beckanbecka | 2014-11-25 11:48 | 妄想小説


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