静かな海の様に-4-

一週間、私は没頭して本を読みふけっていた。
寝る時間を削ってしまったせいで、寝不足なのかぼんやりする。
日曜、目を覚ますと既にお昼だった

「わぁ!もうこんな時間!」

慌ててシャワーを浴びて、ご飯を食べたけど
そもそも図書館に行くのって、別に学校じゃないんだし時間通りに行く必要も...
そう....だよね....なんとなくゴロゴロ、うとうと。

結局7冊のうち、5冊しか読み終わらなかった。
段々と日差しが柔らかくなってくると、私は読み終わった物だけ、
きっと待ってる人もいるだろうと返却しに行く事にした。

ピンポーン

人でも少なくなり始めたエントランスで、ふと目を向けると
彼女が寒かったのか鼻と頬を赤くしながら入ってきた。
ああ、よかった。今日は来ないからどうしたのかと思ったけど

「もう少ししたら僕、2階の棚戻し行きますね」

「ああ、助かるーお願い!」

そう声をかけると、カウンターに戻った

「こんにちわ、返却ですね」

「あっ...はい!」

嬉しそうで、人懐っこい笑顔。
今回は、本楽しんでくれたみたいで良かった。

「あの、今回借りたの全部面白かったです!
 凄く読みたいけど、借りられない本ばっかりだったから....ありがとございます」

「それはよかったです。もしよければ他にも読みたい本、
 リクエストしてくださいね。入荷したらすぐ電話で連絡できるので」



入荷のお知らせなんて通常、掲示案内の所にしか張り出さないけどね。
彼は微笑みながら、リクエストカードを差し出した。

「本当ですか?ありがとうございます」

彼女はよっぽど嬉しかったのか、カードを見ながら二階へ行ってしまった。
何だ、もう少し俺とお話ししてくれるのかと思ったけど。
俺よりも、本のほうが好きか、残念。

「棚戻し行ってきます」

そう言うと彼は、エレベーターで二階へ上がった。

「あと二冊あるとしても、もう一冊くらい何か借りようかな。
 .....あー、そういえば雑誌もう貸し出しに出てたよね...」

給料もあまり多い訳ではないし、
雑誌は図書館でしか借りない事にしている。
お昼ご飯もお弁当だし、お茶はポット。
そうしないと、都市部のマンションには住むことも出来ない。

「あった。.......あー、今月のアンアム、結構借りにくいなあ」

しょうがない、図書館で読んで帰るか。
外が真っ暗になりつつある二階は、既に人も殆どおらず
静かで自分しかいない様な感じだった。

"会社の後輩と付き合う様になって、仕事以外で見せる男の顔にドキドキ”

「......仕事以外での顔,かぁ」

パクさんは、どんな風なのかなあ
あんまり想像できないけど、同じ様な気がする。
誰にでもとっても優しくて、穏やかで、付き合う彼女もほのぼの幸せそう....

「い、いるのかなぁ」

雑誌をじっと読んだり、上を向いたり、落ち込んだり
棚に本を戻しながら、彼はくるくる変わる彼女の表情を見ていた。
しかも、真面目に読みふけってるのがセックス特集って言うのが良いな。

ガラガラ

「今日は何を読んでるんですか」

「今日はアンアムのセッ.....あぁっ」

目の前に、カートを片手にパクさんが微笑んでいた。
驚異的なスピードでシャバっと雑誌を背中の後ろに隠す。
ああ......変わりに他の本もテーブルに持ってきとけば良かった....(泣)

「ん?」

聞き取れなかったのか、パクさんは何と横に座ってきたではないか。
ど!ど!どうしよう!!!!

「あははは、いえ、そんな大した物ではなくて女性誌です。ははは
 もう読み終わったんで、返しに行こうとしてた所なんです」

慌てて取り繕うも

「そうなんですか?じゃあ私が一緒に棚に戻しておきましょう」

にっこりとパクさんは手を差し出した。

「あっ....お仕事の邪魔しちゃうし、帰りがけに一階で返すから大丈夫です!」

「アンアム、人気ですよね。」

ちらっと彼は彼女の背後に目をやる仕草をした

「!!!!!」

パクさんの方を泣きそうになりながら見ると、いつも通りの笑顔だ。
なんだか、パクさんって........
もしかして...

「あの....」

「なんですか?」

「失礼ですが私、からかわれてます?」

その瞬間、パクさんがアハハハッと笑った。
いつもの穏やかな笑い声ではなく、年相応の男性の声で。
そして、笑ったって事は私、揶揄われてたんだ〜!

「ふはっ...すみません。凄く真剣に読んでたのが見えたので(笑)」

悪びれず、おかしそうにクスクスと笑うパクさん
誰にでも笑顔で優しいけど、あっちから利用客に話しかけるって
あんまりないと思っていた分、こんな風に素で接してくれた事が嬉しくて
怒るよりも、なんだかドキドキして、好きな人と喋れる時間が嬉しかった。

「ひどいです。」

「すみません。毎週あなたを見てると、何となく親近感を覚えてしまって」

ゴホンと咳をすると、いつもの司書さんの顔に戻った。

「あ、案外司書さんっていじめっ子なんですね」

「あはは。そうでしょうか。
 あの、僕パクです、パク・ユチョン」

まさか私が名前を知らないとでも思ったのだろうか。
そんな訳ないのに、でも、なんだか名前で呼ぶのが恥ずかしくて、
私は司書さんと呼んでいた。

互いに自己紹介をすると、少しだけ親しくなった気がした。
多分としも近いんだと思うし、何となく意識し合ってる高校生同士みたいな。
なんだか、甘酸っぱい

「帰りも寒いから気をつけてくださいね」

結局、私は雑誌をパクさんに手渡す事となった。

「はい。パクさんも仕事頑張ってください」

「はい、ありがとうございます」

穏やかな笑顔から、時折顔をのぞかせるパクさん自身の顔
確かに、雑誌に書いてある通りだわ。
穏やかな人なだけに、時折見せる男の表情がドキドキする。

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by beckanbecka | 2014-11-25 15:24 | 妄想小説


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