静かな海の様に-6-

「毎週毎週....変に思われちゃうかな」

うろうろと彼女は、部屋を行ったり来たり。

「会いにきてるんじゃ、自分の事を好きなんじゃって思うかな」

うろうろ....

今まで、何も考えずに足を運んでいた図書館に、中々行けない自分がいる。
それもこれも、司書さん....パクさんと自己紹介もしたし、知り合いになったから。
むこうも、私の事を知っている状態だからだ。

「でも...週に一回だし。今日のために、仕事もたくさん頑張ったし....」

彼女は決意を固めると、図書館に出かける事に決めた。
しかし、鏡をのぞくと何となく自分が可愛くないし、服装もいまいち。
そう思ってくると、だんだんヘアスタイルも、メイクも、気になってしまう。

結局、十分満足して家を出たのはお昼だった

ピンポーン....ピンポーン...
やはり日曜の昼は、図書館も人が多く混み合っている。
すぐに視線が行くカウンターでは、長蛇の列にいつもの穏やかな笑顔で対応するパクさん
まるでスターのサイン界でも待っている様な,女性達の列

自分よりも若くて、キラキラ輝いてる女の子が顔を近づけ話しかける。
ん?と顔を見下ろして、優しい微笑みで何かを話しているパクさん。
楽しげに、二言三言、2人は話していた。

チク...

大人気のアイドルに恋するファンみたい。
あの笑顔も、優しさも、もしかして先週のあの自己紹介も
パクさんにとっては別に特別な行為じゃないのかもしれないなぁ。

「あ」

カウンターの横には”導入しました!自動貸し出し&返却機”
というコピーと共に、新しく高機能そうな機械が鎮座していた。
あ、へえ。こんな物あるんだ...

パクさんは忙しそうだし
私に気づいてもなさそうだし
きてるって気づかせない様に、こっちで返しちゃえ。

ピッピッ...

”ヘンキャクカンリョウイタシマシタ”

私は、彼女でもないのに何を勝手に拗ねて意地張ってるんだろう。

「かわいくなーい」

2階に上がると、出会う前と同じ様に海の見える席で、
いつもは読まない、恋愛小説なんかを読み始めた。
白馬の王子様みたいな男性が迎えにきてくれるラブストーリー

「だから結婚できないのよ!いい?結婚は妥協も必要なのよ!」

そう、お姉ちゃんが言ってたわね....婚活して出会った男性と結婚した...

「おまたせしました。この3冊ですね」

パクさんの声が近くで聞こえて、振り向くと背後の席で
女性が数冊の本を受け取っている所だった。
受け取った本よりも、パクさんの方にだけ視線が行ってる。

「ええ。ありがとうございます」

「どういたしまして。そういえば最近サルトルにあてたカミューの手紙が
 発見されたとニュースで言ってましたね。」

「え?え、あ、そうなんですか」

「カミュサルトル論争とも言われる大喧嘩だったのに
 本当は仲が良かったんですね、2人は。」

私は、2人の話している話がチンプンカンプンで
でも、ああやってお客さんに話題を振ったりとかするんだ...つい唇が尖ってしまう。
話題を振られた方は、口実に開架書庫を借りた物の深く話題を振られ、固まっていた。
そんな事、もう彼女には気づく余裕もなかった。

彼女は本を読むフリをしていたけれど、
彼はそのまま席をすっと通り過ぎ一階へと降りてしまった。
気づいてもらえなかった......

”なんか私ばっかり気にして、バカみたい”

彼女は本を閉じると、一階の隅の恋愛小説コーナーへ戻しに向かった。

「はー」

「なんで来てるのに声かけてくれなかったんです?」

「えっ」

後ろを振り返ると、パクさんがじっとこちらを見ていた。
微笑みを浮かべているけど、なんだかいつもと違う様な。
静かに、浮かべられた笑みの奥で、考えてる事が分からなくてどこか不安な様な。

「さっき、来てるって知らなくって、ちょっと悲しかったです。」

パクさんが本棚の方へ近づいてきた

「その、忙しそうだったし...」

「でも、本も機械で返してるじゃないですか」

「それは、誰も使ってなかったから...」

一歩一歩とパクさんが私へ近づいてくると、
私は一歩一歩,本棚の方へ後ずさる。
狭い棚と棚の間の空間では、すぐに背中に本棚が当たって行き止まる。

優しいはずのパクさんの視線で、そんなにじっと見つめられると
なんだか.....胸が..........
彼女はぎゅっと、持っていた本を胸に抱きしめた。

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by beckanbecka | 2014-11-27 18:25 | 妄想小説


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