静かな海の様に-63-

「大丈夫?仕事終わったらそっち行くよ」

「ううん、大丈夫。
 何も出来ないから、安静にして寝とく」

「いいよ、何もしなくて。
 ただ心配だし,俺に出来る事があればしてあげたいから...」

「いいの,本当に。ごめんね」

電話を終えると、ユチョンは溜め息を吐いた。
体調が悪いなら,身の回りの事とか何でもいいからしてあげたいのに。
もし俺が彼女だったら,いてくれると嬉しいのになあ...

今日は何度溜め息を吐いただろうか。
ユチョンは業務を終えると、エントランスの方へ出た

「ユチョン」

そう自分を呼ぶ声に顔を上げると、
あの女が俺の方へ,微笑みかけていた。

「...............何の用だよ」

そう言いながら、ユチョンは女の横を通り過ぎた

「用件も聞かずに邪険にするとか,酷すぎない?」

「こないだ言っただろ、もう連絡するなって、会いにも来るなって」

「.....意地張らなくていいわよ
 あの時は......私が悪かったわ、勝手に話をまとめて別れて」

「昔の事はもうどうでもいいよ」

エントランスにカギをして、カーテンを閉める

「私はよくないの。
 謝りたいのよ,あなたに。私が間違ってたって。
 だからあなたも、意地を張って私を突き放さないで」

ユチョンは振り向いた。
一体こいつは,どう言うつもりでそんな事を言ってるんだろう。
俺が意地を張って彼女にそっぽを向いているとでも思ってるのだろうか。

「あなたを理解できるのは、私だけだっていったわよね。
 私も気づいたの,私を本当に理解して愛してくれるのは,あなただけだって」

静かに彼女を見るユチョンを、かのじょはそっと手で撫でた。
何度も見つめ合って,愛し合った男
何年も時間を経て,以前よりグッと大人の男の魅力が増した気がする。
じっと何も言わず見つめるだけで,セクシーなんだもの

「あなたが好き。前とちっとも変わらず」

彼女はユチョンの手を握ると、甘える様に胸に凭れ掛かった

「時間が経ってやっと分かったの。私がバカだったわ。
 彼とも正式に別れた、仕事は独立した。だからあなたも今女がいるなら...」

知ってるけどね,今女がいるって言う事は既に。

「悪いけど」

ユチョンは彼女の肩を押し戻した

「俺には既に恋人がいるから」

「知ってるわ。あなたの事だもん、いないわけがない
 終わってからでいいわよ」

「違う。終わらせる気はない」

ユチョンの一言に,彼女はゆっくり顔を上げた

「本気で愛してる、初めての女性なんだ
 悪いがお前との事は過去の事で、いい勉強になったよ
 彼女は俺に....安らぎと本当の会いを教えてくれたんだ」

「..........そう」

彼女は微笑んだ。
しかし、内心では爆発しそうな感情が渦巻いている。
あの女が、気の弱そうで特徴もなんにも無いあの女、どこがいいのよ。

どうせ遊んでは、すぐ次に目移りする男なのに。
一瞬の感情でアタシを断るなんていい度胸だわ。
何なのよ、何なのよ!

「いい勉強になったって言ったわよね,アタシの事」

「ああ。」

「それだけじゃないわよ、女って」

「どうでもいいよ。もう学ぶ事はもう無いから」

ユチョンはこっちが苛立ってる事を知りもしないのか、極めて平然としていた。
そんなにもあの女と知り合って満足してる訳。
あんなに私たちは愛し合っていたのに、もう未練も無い訳ね

わかったわ。
アタシを見ないなら、その振り向かせるまでよ
アタシしかいないんだって,気づかせてあげる

「いい恋愛してるのね」

彼女は微笑んだ。

「まあな」

「じゃあ,私の出る幕は無い,か。失礼するわ」

「気をつけて」

ユチョンの横を通り過ぎながら,彼女は微笑んだ

「そうだ。
 最後の一つお願いしたいんだけど。私の従兄弟結婚するのよ。
 あなたの事をお兄さん、お兄さんって慕ってたじゃない。
 来週結婚式なんだけど、出てくれない?」

ユチョンは振り向いた
たしかに学生時代、何度となく遊んであげた思い出はある。
あの頃は彼女と、俺と、あの子とで、3人でまるで一つの家族の様だった。

出てあげた方がいいんだろうが、
こいつと一緒に結婚式に出るという事だけが引っかかる。
もう会う事は無い,今そうほっとした所なのに

「お願い」

「..........わかった」

「ありがとう」

それが最後だ。
終わったら,もう何も関係は持たない。
ユチョンは深呼吸をして、自分を納得させる様そう思い直す事にした。

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by beckanbecka | 2015-02-23 13:47 | 妄想小説


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