静かな海の様に-85-

「こら凄い量やなぁ。うちは財政も苦しいのに、こんなに頼まんでも」

次々に届く本に、図書館の職員たちは顔をしかめた。
しかしユチョンはどこ吹く風、嬉しそうにダンボールを開けては
中から次々と本を出している。

「心配しないでください。全部古本屋から買ったんです
1冊10分の一くらいの値段ですよ」

「えぇ?そりゃ何でだね。」

「僕が学生の頃から通い詰めてる古本屋があって,真意にして頂いてて。
 状況を話したら、一括で大量購入だからと割引をしてくれたんです」

外から何やら誰かの声がした。

「パクさんいらっしゃいますか?配達に参りました!」

「中に入れてください!」

「今度は何だね!?」

入り口の方を皆が見ていると、運送会社が本棚を中に運び入れて来た。

「こらぁ.....」

「リサイクルショップに大量にあった本棚を買って来たんです。
 7台も買ったのに、新品の1つ分の値段ですよ」

そこにいる全員があんぐりと口を開けた。
そう、全ては新品を受注し、それにお金を費やす必要はないのだ。
普通はそうするべき、と思って無意識にやっていた習慣を、彼は覆した。

「お金がないからできない、じゃなくて
 お金がないからどうにかするんですよ」

「パク君....」

「人が来ない事にしても同じです。人が来ないから何もしないんじゃなくて
 人が来ないなら、何かをしなくちゃ。」

彼の前向きで、革新的な意見は、活き活きと活気に満ち溢れていた。
都会から出て来た人間は甘やかされ、苦労を知らず...そんなイメージを持っていたけれど
彼は切り開くべき道を見据えているのだ、と彼らを奮い立たせた。

「そうやね、アタシらがやらんとね!
 アタシらも手伝うからパク君、どうしたらいいか指示ちょうだいな!」

「俺も!」

「俺らも!」

やっと、何かが動き出そうとしている。
少しずつ、浮かんでは消え、見えそうで見えない君の姿が
浮かび上がって来る様だ。

.............................................................

「あーっちぃ あっちぃ」

「あら、オッパ。そんなに汗かいて、どうかしたの?」

「おぉ。今日図書館に本棚の配達に行ったんだけどな
 ちょっとした理由で、本の搬入とか掃除とか、まぁ色々やってな
 お陰でクタクタだぜ」

公民館のフリースペースで、
弁当を食べていたOLの横に、どっかと男数人が座った。
彼らは知り愛らしく、ぺちゃくちゃと喋り始めた。

図書館かぁ...
そう言えばここに来て、まだ一度も行った事なかったな....

「ものすごいイケメンが勤めとってな。
 ほら、寂れて人も寄り付かんかった図書館を一新する!言うて張り切りよんのよ。
 その熱意に俺も押されてさ、こう、一役買おうと頑張ってきた訳よ」

彼らのお喋りをよそに、彼女はぼんやりと考えていた。
そう言えばここに来てから本を読んでいないんだった。
今度行ってみようかな....

カウンターに
パクさんを捜してしまいそうになったりして....

「.............」

彼女は慌てて、涙の出る気配を感じ考えるのを止めた

「どうしたん?ねぇ、ねぇ、今週末は暇にしとる?」

「はい、仕事がお休みの日は特に....お掃除と、買い物くらいしか....」

「よかった!土曜の夜、空けとってね!みんなで歓迎会がてらするから!」

歓迎会......
会社が同じとか、何かある訳でもないのに
ただ昼食をここで食べる様になって,仲良くなって

「ありがとうございます」

でも1人じゃないんだな、彼女がそう思った。
私はもうパクさんの元へは戻れないし、考える事を止めなくちゃ。
もう、パクさんの人生の中に私の存在はいないんだから

もう、その後のパクさんとあの女性(ひと)の事は知りたく無い。
知ったらきっと、立ち直れなくなってしまうから.....
彼女は微笑んだ

私はこの場所に根付いていくんだ
今まであった事は、全て過去の事として。

............................................................

「歓迎会?」

「そう、今週末の夜にやりましょうや。
 せっかくこれだけ一致団結しとるんだし、色々語りたいし」

「いいですね,是非。」

ユチョンは翌日、昨日手伝ってくれた運送屋と話していた。

「じゃあ、パートさんにも....」

「あっパクさん!シーっ!」

「シー?」

ユチョンが理解できず、不思議そうな顔を返すと、男はそっと顔を寄せた

「出るのは俺と、パクさんと、うちの会社の奴、あと、ここの職員のキム君です」

「それだけなんですか?せっかくだし....」

「いやいや!パクさん!その....俺たちが4人で、女の子が4人来るんで...」

「女の子....ですか?」

「あぁもぉ!鈍いなあ。合コンですよ、合コン!
 白状すると、田舎に都会のイケメンがやって来たって、話題沸騰なんだで?
 パクさんがくれば、そりゃ〜可愛い女子が競って集まるけぇ....」

ユチョンは理解すると、溜め息を吐いた

「合コンなら、俺は遠慮します」

背を向けようとすると、必死に彼はユチョンの背中に抱きついた

「そ、そんな!ちょっとでいいから!知り合いが選りすぐりの美女集めてくる
 て言うとったから!な!お願いや〜パクさん!俺らだけやったら、集まらんのです」

「俺,合コンは苦手なんで」

「そんな事いわずに!ほら、若い俺ら世代やったら、
 図書館の改造に色々知恵出せるし、コネも作れるやないですか!
 労働力とか.....ね!損はさせんから!」

彼らの寄り切りに,ユチョンはOKと言うしかなかった。
まあ、知り合いもいないこの土地だ、有利に働くかもしれないし...
ユチョンも、受けた以上は前向きに考える事にした。


--------------------------------------------------

いつもクリックしていただいてありがとうございます053.gifとても 励みになります!

 photo 0000523266_zpsd19d59b7.jpg 

[PR]
by beckanbecka | 2015-04-17 20:41 | 妄想小説


屋根部屋のプリンス二次創作小説をつらつらりと書いてます


by becka

プロフィールを見る

カテゴリ

はじめに
ブログ
登場人物
Becka's CHOICE
300年経っても君を愛す
屋根部屋のプリンス短編集
成均館スキャンダル
パスワード記事について
妄想小説
.
太陽を抱く月
星から来たあなた
有料販売分

タグ

(110)
(100)
(95)
(80)
(73)
(69)
(44)
(36)
(31)
(26)
(21)
(9)
(8)
(7)
(6)
(5)
(4)
(3)
(3)
(2)

最新の記事

一部、限定記事のURLを修正..
at 2016-04-19 18:19
最近のハマりもの
at 2016-04-11 15:07
暗道-Second- 36
at 2016-03-31 21:40

-

お財布.com - 無料で手軽に貯まる魔法のお財布

ヤフオク入・落札で貯まる!
日々の生活にhappyをプラスする|ハピタス

【激安800円!】
JYJマガジン Vol.2(日本版)




JYJマガジン Vol.04
(ユチョン/日本版)





3hree voices Ⅲ



JUST US



IN HEAVEN




JYJ
UNFORGETTABLE LIVE DVD



Come on over, JYJ



JYJマガジン Vol.3
(ユチョン号)

その他のジャンル

-