暗道-Second- 17
「良くしてもらってるお店なので、割引もあると思いますよ」
「何から何まで悪いね。」
休日
取引先へ出向く前に、彼女の運転で中古車ディーラーへと足を運んだ。
やっぱり田舎は車がないと生活しづらいし、車通勤も楽そうだ。
その土地に聞くに限るよな、郷に入れば何とやらだ。
「いいえ。点検も格安ですし、是非オススメしたくて」
彼はじっくりと車を見て回った
元来が車好きの彼だが、そこへきて妻を乗せての想像や
そこにちょこんともう一人”おチビさん”を描いてみたりと、彼の頭の中は大忙しだ
「いいね」
「以外、そういう大きめの車も見るなんて。
室長ってスタイリッシュなスポーツカーとか好きそうなのに」
「うーん、まあそういう物も好きだよ。
でも家族のことを考えるとさ、俺と妻と....いづれは増えるだろうし」
こうやって休日に二人で車選びをしている
まるで傍目からはカップルのように見られるし、ヒソヒソとそんな声も聞こえる
なのに、やっぱり室長の頭の中にあるのは奥さんか
「まあ、ちょっと早いか」
フッと笑いながら彼は角を曲がって行った
「やぁ、お休みの日に申し訳ありませんな」
「いえ、こちらこそお時間頂戴いたしましてありがとうございます」
..................................................
「やぁ。旦那さんといい週末は送れたかい?」
月曜日、デスクに着くとニコリとチーム長から話しかけられた。
そうだ、スーパーで会ったからその事もご存知なんだった。
彼女は少し恥ずかしそうにしながら、こそりと小さな声で言った
「週末も仕事が入ったらしくて、帰ってこれなかったんです」
チーム長は驚いた表情をしつつも、周りを気遣って口は閉じたままだった。
こういうあたり、考えてくれているというか、女心を知ってる感じだわ。
むやみに大勢の人に、聞かれたくは無かったから。
「そう、それは残念だったね。せっかくスーパーでたくさん買ったのに」
「はい」
その穏やかな微笑みに、彼女も微笑んで答えた
「まあ、彼は会社を任された室長だからね。いろいろ大変なんだと思うよ
来週は帰ってきてくれるといいね」
「はい^^」
...........................................................................
「もしもし?」
「もしもし、俺だ。......週末いい事があったんだけどなんだと思う?」
「何でしょう??うーん?」
「じゃあ今写真送る」
画面に一通の写真が届く。
開けると.......今の車より幾分大きめで中がゆったりした車だ
「車だ!もしかして買ったんですか」
「うん。でも中古で、紹介だったから結構割り引いてくれたんだ
乗り心地良さそうだろ?」
「はい、シート柔らかくて気持ち良さそうですね」
もうそんな友達ができたんだ、と彼女はホッとした。
別にチーム長は明るくて社交的だし、誰とでもすぐ打ち解ける人だから
そんな心配なんて全くしてなかったけど......
何となく、私の知らない人なんだと思うと、心がきゅっとなる
チーム長の事、私が知らない事、これから増えていくんだよね
「ああ。気持ちいいよ、うぅん!その....お前がこっちに来るのもアリなんじゃないか?
その.....なんだ、この車でドライブだってできるわけだし、
いろいろ....休日にドライブデートするのもいいと思うしだ...」
「本当ですか?わぁ、行きたいです!
チーム長の家、行きたい!」
嬉しそうに話す彼女だけど
俺の家って.....まるで独身の彼氏のうちに遊びに行くみたいな会話だなぁ。
「ふはは、俺の家って.....お前の家でもあるんだぞ」
「えっ....あ、そ、そうですか?」
「そうだよ。お前の使う歯ブラシとかも買ってあるし....
ベッドだって二人で寝られるように大きいの買ってあるしだな...」
「じゃー」
「ん?」
「取っちゃおっかな、飛行機」
互いに、スマートフォンの画面越しに満面の笑みを浮かべた
「あぁ、そうしろ!」
「へへっ。そうします!」
そのあと、二人の電話は夜遅くまであれしたい、これしたい、と
盛り上がりを見せるのだった。
何となく...離れてるのも少しだけ、悪くないよね。
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by beckanbecka
| 2015-10-10 18:37
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